1.ココナッツ(1929)★★★★★
2.けだもの組合(1930)★★★★☆
3.いんちき商売(1931)★★★★
4.御冗談でショ(1932)★★★★☆
5.我輩はカモである(1933)★★★★★
6.オペラは踊る(1935)★★★☆
7.マルクス一番乗り(1937)★★★
8.ルーム・サーヴィス(1938)★
9.マルクス兄弟珍サーカス(1939)★☆
10.マルクスの二挺拳銃(1940)★★☆
11.マルクス兄弟デパート騒動(1941)☆
12.マルクス捕物帖(1946)★★
13.ラヴ・ハッピー(1949)★☆
しかし彼らの代表作としては第一に『我輩はカモである』(画像上)、次いで『オペラは踊る』『マルクス一番乗り』『マルクスの二挺拳銃』『マルクス捕物帖』とご覧になるのをお勧めします。初見で『我輩はカモである』を理解するのはまず不可能です。たった68分の中に優に三本分を越える映画に匹敵する内容が詰め込まれた結果、難解なことが描かれているわけではないのにほとんど物語上の連続性や意味の関連が不明になり、観終えても一体何が起っていたのか断片的な悪夢のようにしか思い出せない。そんな作品です。
ですが『オペラは踊る』から後のマルクス兄弟映画は明快なストーリーを持つ作品ばかりで、過不足のない娯楽映画です。それらを楽しんだ後で『カモ』を観直すと今度はぶっ飛びます。本当にすごい作品は周辺作品を手当り次第に観て初めて真価がわかる。文学作品やマンガ、音楽でもそうでしょう。マルクス兄弟のパラマウント期、なかんずく頂点をなす『カモ』もそういう作品なのです。