人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

裸のラリーズ最終回

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裸のラリーズ記事も連続四日目だがこういうのは固め打ちだからこそ意味があるので、それにスマホの文字入力にまだ慣れていないという事情もあったからだが、それも今回は最終回で、『Studio et Live '67-'69』冒頭の曲からご紹介する。当時の日本のロックといえばグループサウンズで、67年はブルー・コメッツとザ・スパイダース、翌68年はザ・タイガースとザ・テンプターズが人気を極めた年だった。インテリジェンスのある音楽ならジャズやフォークの方が明らかに旗色が良かった。そこに現れた突然変異的バンドがフォーク・クルセダースとジャックスだったわけだが、商業的には大きく明暗を分けることになる。
それでもジャックスは商業的成功を目指して活動していたため、セールス不振はメンバーに大きな挫折感を与えてバンドは解散するのだが、裸のラリーズはと言えばジャックスの影響を受ける以前から商業的活動などまったく視野に入れない演奏をしていたのが、この一曲でわかる。
Les Rallizes Denudes "Smokin' Cigarette Blues" 1967
https://www.youtube.com/watch?v=L-oS--60eLA&feature=youtube_gdata_player

まったくの偶然だが、裸のラリーズが日本でしていたのと同じようなことを、西ドイツ(当時)のバンドもしていた。ただしグル・グルは70年、アシュ・ラ・テンペルは71年にアルバム・デビューし、商業的にも成功して現在も活動を続けている。こういう音楽が広く受け入れられる土壌があった、ということだ。
Ash Ra Tempel "Live in Bern-71.10.9"
https://www.youtube.com/watch?v=ieWLDQTCWIw&feature=youtube_gdata_player

Guru Guru "Electric Junk" TV Archive 1971
https://www.youtube.com/watch?v=D2u5T-iOYpI&feature=youtube_gdata_player

ラリーズには多くの発掘リリースがある、と前回までも解説したが、ボックス・セットだけでも公式CD三作に未編集音源の特典ディスクを併せた『Rivista Archives』5CD、定番発掘ライヴとライヴ映像を併せた『Ignuitas Box』8CD+2DVD、80年代以降のライヴを収めた『Collector's Box』10CD、『Disastar Sources』(後述)の続編で90年代のライヴを収めた『Disastar Sources Vol.2』13CDと、ここまでで36CDになり、さらに二枚組10セットの『The Archives of Disastar Sources』シリーズがある。ここまでで56CDだが、さらに大半が二枚組の発掘ライヴがダブりなしでまだ20枚分近くあるのだ。これほど膨大な非公式CDを黙認しているバンドも珍しく、バンド公式CDは三作しかないのにこれほど発掘CD需要があるのも他では考えられない。しかもレパートリーは全活動歴で20曲前後しかないのだ。
これらの中から代表的なものとして、『Disastar Sources』の最初の一枚を上げたい。曲目はリンク先に表示されている。
Les Rallizes Denudes "Studio & Soundboard 1969-1975" (The Archives of Disastar Sources Vol.1/Disc 1)
https://www.youtube.com/watch?v=2-cSamFulpc&feature=youtube_gdata_player