人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

Hawkwind - The '1999' Party (EMI, 1997)

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Hawkwind - The '1999' Party (EMI, 1997)
CD1 : https://www.youtube.com/playlist?list=PLWfGw2maX1M4Yn6dP1nWlaQbgpxzckbT7
CD2 : https://www.youtube.com/playlist?list=PLWfGw2maX1M5tS9C3r9XOytUGVJLfC0gK
Recorded at Chicago Auditorium Theatre, USA, 21 March 1974
Released November, 1997 EMI-HAWKS6
(Disc 1) Total Time - 49:04
1. "Intro" (Andy Dunkley) / "Standing On The Edge" (Michael Moorcock) - 4:16
2. "Brainbox Pollution" (Dave Brock) - 7:52
3. "It's So Easy" (Brock) - 11:02
4. "You Know You're Only Dreaming" (Brock) - 4:43
5. "Veterans of a Thousand Psychic Wars" (Moorcock) - 2:21
6. "Brainstorm" (Nik Turner) - 9:19
7. "Seven By Seven" (Brock) - 9:26
(Disc 2) Total Time - 48:49
1. "The Watcher" (Ian Kilmister) - 6:40
2. "The Awakening" (Robert Calvert) - 2:40
3. "Paradox" (Brock) - 5:43
4. "You'd Better Believe It" (Brock) - 8:09
5. "Psychedelic Warlords" (Brock) - 3:47
6. "D-Rider" (Turner) - 7:46
7. "Sonic Attack" (Moorcock) - 4:30
8. "Master Of The Universe" (Turner/Brock) - 6:57
9. "Welcome To The Future" (Calvert) - 2:32
[Personnel]
Dave Brock - Electric guitar, Vocals
Nik Turner - Saxophone, Flute, Vocals
Lemmy (Ian Kilmister) - Bass guitar, Vocals
Del Dettmar - Synthesizer
Simon House - Violin, Keyboards
Simon King - Drums

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 1997年11月にEMIから発掘発売された『ザ・1999・パーティ』は1974年3月21日のシカゴ・オーディトリアム・シアター公演を収録したホークウィンドのライヴ・アルバムで、EMIからの初期ホークウィンド作品のリマスター再発第一弾リリースに合わせて発売された。2006年4月には1枚に抜粋編集された廉価盤『ホークウィンド・ライヴ74』としても発売されている。

[バンド内部の変化]
 ホークウィンドの最初の北米ツアーは1973年11月~12月にかけて10日間ほど行われた『宇宙の祭典』発売に伴うもので、ナレーターのロバート・カルヴァートとエレクトロニクスのディック・ミックはすでに7月に脱退しており不参加だった(NME=ニュー・ミュージック・エクスプレス誌、73年11月10日号より)。このツアーの時にシンセサイザーのデル・デトマーはカナダに移住のための土地を購入していたが、バンドを脱退したのは74年6月のライヴを勤めあげてからだった(NME誌、74年6月29日号)。ヘヴィ・サイケデリック・ロックの重要バンド、ハイ・タイドのメンバーとして知られたヴァイオリンとキーボードのサイモン・ハウスはデトマーと並んで今回のツアーのキーボード奏者の位置に着いたが、この時点ではまだ正式な契約には至らず、ハウスのホークウィンド加入は非公式なものだった(サウンズ誌、74年6月1日号。『永劫の宮殿』発売は74年9月)。

[74年『ザ・1999・パーティ』ツアー]
 ジャーナリズムの酷評、アルバムの売り上げ不振、アメリカの所属レコード会社からの関心の低さと貧弱な宣伝にもかかわらず、ホークウィンドは会場の満席に自信を持ってバンドみずから北米ツアーの契約を取りつけた(メロディ・メイカー誌、74年3月23日号)。ツアーはザ・1999・パーティの名を掲げられ、前座にマンの1時間のステージを設け、DJアンディ・マッケイを司会に、全編にダンサーのステイシアとリキッド・レンによるライト・ショウを伴って1974年3月1日を皮切りに4月に及んで行われることになった。コンサート日程を掲げる。

1 March: Los Angeles
2 March: Santa Monica, Auditorium
3 March: San Diego, JJ Club
7 March: San Francisco, Auditorium
10 March: Berkeley, University
15 March: Kansas City, Soldiers & Sailors
16 March: St. Louis, Auditorium
19 March: Milwaukee, Riverside Theatre
21 March: Chicago, Auditorium Theatre
22 March: Cleveland, Allen Theatre
23 March: Detroit, Palace
24 March: South Bend, Morris Auditorium
29 March: Atlanta, Electric Ballroom
2 April: Nashville
5 April: Philadelphia, Tower Theatre
6 April: New York, Steins Academy
7 April: Baltimore, Latin Casino
8 April: Boston, Orpheum Auditorium
10 April: Buffalo
13 April: Washington, Warner Theatre
14 April: Montreal
15 April: Toronto, Massey Hall
("Frank Weil's Golden Void website"による)

 バークレー公演は抗精神薬の使用と普及活動によりアフガニスタンから押送・投獄されていた心理学者ティモシー・リアリー(1920~1996)の支援のために開かれた。前座のマンの演奏中に拘置所からリアリーの電話があり、通話はPAを通して観客に披露された(メロディ・メイカー誌、前出同号)。ナッシュビル公演では台風に遭遇し、ホテルの雨漏りから機材に1000ポンド相当の被害が及んだ(NME誌、74年4月13日号)。 シカゴ公演とデトロイト公演は正式にライヴ・レコーディングが行われた。

 バンドが次に公演旅行に渡米したのは9月だったが、インデァアナ州ハモンド公演から5日後、アメリ国税庁はバンドの機材に今回のツアーを継続する場合8000ドルの持ち込み税を課した。法的問題に決着がつくまで1か月がかかり、ツアーの再開には大幅なスケジュール変更が余儀なくされることになった(サウンズ誌、74年10月12日号)。

[演奏曲目]
 演奏曲目は『宇宙の祭典』から大きく改訂されており、朗読詩3編と楽曲3曲だけが『宇宙の祭典』から引き継がれた。SF作家マイケル・ムアコックが自著のヒロイック・ファンタジー小説と共通の題材で2編の朗読詩を書き、このライヴでは1974年9月発売の新作『永劫の宮殿』に収録される新曲5曲のインターミッションに用いられるが、ムアコックによる同シリーズからのコンセプトはさらに1975年のアルバム『絶体絶命』でも使われることになる。

 ザ・1999・パーティ・ツアーの前座バンド、マンのライヴもまた2001年6月にヴォイスプリント・レーベルから同題で発掘発売されている。

(以上英語版ウィキペディアより全訳・一部補足)