人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

新☆戦場のミッフィーちゃんと仲間たち(46)

 それじゃあ次のモンダイだゾ、と野原しんのすけは言いました、織田信長明智光秀に討たれたおシリは?おシリじゃないだろしんのすけ、と風間くん。そうだよしんちゃん、とマサオくん。お城……とボーくん。そうとも言う、としんちゃんはとぼけてみせると、ネネちゃんならきっと知ってるゾ。ネネちゃんは当然そんなの知りませんでしたが、答えられないのも癪なので風雲たけし城、と答えました。男の子たちはぎょっとして後ずさりをして、ひょっとしてネネちゃん昭和生まれの人?みんなと同じ5歳よ!とネネちゃんは答えましたが、1992年にもネネちゃんは5歳だったのです。
 そこに変な直立歩行のカバを含む妖怪めいた団体が通り過ぎていくと、こんどはたぬきのぬいぐるみのような生き物が荷車を曳いたわにと一緒にシュールおままごとをしている(いつもはリアルおままごとなのですが)しんのすけたちの方に近づいてきました。とはいえ、目標はしんのすけではなく、しんのすけたちのいる場所を通り過ぎすぎたどこかなのは間違いないようです。オラたちがここで会ったのは、だいたい有名な人たちばかりのようだから、としんのすけは声をひそめました、きっとあれも有名なのに違いないゾ。
 ハローキティのお店はこのあたりにあるはずなんだけどね、とチェブラーシカ、困ったなあ、どこまでが廃墟でどこにお店があるのか、よくわからないや。地の利で言えば先発のミッフィーの店の方が良い場所を押さえているわけだな、とわにのゲーナ、後発で地の利も悪い、その割に先発店に迫る繁盛ぶりとは、なかなかやり手なんだろうな。まだチェブラーシカたちはリボンをなくした後のキティーズ・ディヴィジョンの凋落ぶりを知らなかったのです。それにぼくたちは持ち帰りでやみ酒を仕入れてくるだけだし、何の心配もいらないや、とチェブラーシカたちは考えていました。本来なら事実その通りだだったでしょう。チェブラーシカもわにのゲーナもお色気に惑わされるような歳ではありません。たとえそれがエクスタシーとともに生命エネルギーを落命ぎりぎりまで吸収されてしまうようなものですら、チェブラーシカとゲーナにはロシアの大地に根を張った強力な耐性がありました。
 しかし最初の取引というものは緊張が伴うことです。いいかいゲーナ、と、チェブラーシカは相棒に声をかけました。そうでもしなければチェブラーシカ自身が思い切れなかなったのです。