人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

魍猟綺譚・夜ノアンパンマン(24)

 まだある、とばいきんまんは読んでいきました。こうなると、性感というのも面倒くさいものだな。
 決断疲れはスーパーマーケットでの理不尽な衝動買いに大きく影響します。スーパーへの外出中に値段と特売に関するトレードオフの決断が決断疲れを生むのです。こうして買い物客がレジにたどりつく頃にはキャンディーやスナックを衝動買いしたい欲求を抑える意志力はなくなっているのです。甘いおやつがよくレジに備え付けられていますが、これは多くの買い物客がそこに至る前に決断疲れを起こしているのを見込んでいるのです。最近の研究では衝動買いと低いグルコース濃度に直接の関連があることが指摘し、また、グルコースを補給することで良い決断を下す能力が復活することを示しました。これは、なぜ(教育の程度によらず)貧しい買い物客が、外出中にたやすく買い食いするかを解明することになりました。
 決断疲れに陥る人は、自分の決断力を低く考える傾向がある、という調査結果もあります。同程度の労力を伴う作業でも、意志には限度があると考えている人ほど疲労しやすい一方で、一部の例では、意志の力を信じる人ほど骨の折れる作業の後でさえ、より優れた結果を出したと報告されています。
 選択の過程自体がエネルギーの浪費となり、それにより実行機能が他の活動を実行する能力を低くしている場合もあります。決断疲れが自己調整を損ねてしまうのはそのためです。一部の自己調整の失敗が、ほとんどの大きな個人的・社会的な問題の原因となっています。例えば借金、仕事や学業の不振、運動不足、女難などがそうでしょう。また、衝動に対する自己管理能力が決断疲れに直面して低下していくような実験で、決断疲れと自己消耗は相互関係があると判明しています。
 権力者が私生活での衝動を抑えきれず破滅的な失敗をまねく理由は、日々の意思決定の重荷に由来する決断疲れによるものだと考えられています。同様に、権力者は(意思決定の続く長い一日の後に)破滅的な深夜の遊びに身を投じる傾向がある、とも指摘されています。
 司法関係者の自己調整について、裁判官の下す判決は最後にとった休憩時刻から判決時刻までの長さに強く影響される、という調査結果もあります。裁判官のほとんどは、決断を行う時間帯ごとに好意的な判決の割合が約65%から徐々にゼロ近くにまで下落し、休憩後あっけなく65%近くに戻ることが判明したのです。