Recorded live at Howard Stein's Academy of Music, NYC, December 21, 1973
Released by RCA Victor Records, as "Rock 'n Roll Animal"(APL-0472, February 1974) & "Lou Reed Live"(APL1-0959, March 1975)
All Songs written by Lou Reed
(Tracklist)
1. Intro/Sweet Jane - 7:46 (0:00)
2. How Do You Think It Feels - 3:41 (8:18)
3. Caroline Says I - 3:55 (12:03)
4. I'm Waiting For The Man - 3:38 (16:00)
5. Lady Day - 3:54 (20:00)
6. Heroin - 13:13 (23:44)
7. Vicious - 5:55 (36:38)
8. Satellite Of Love - 6:03 (42:37)
9. Walk On The Wild Side - 4:51 (48:32)
10. Oh, Jim - 10:40 (53:30)
11. Sad Song - 7:08 (1:04:09)
(Encore)
12. White Light/White Heat - 5:21 (1:11:40)
13. Rock N Roll - 9:33 (1:16:43)
[ Personnel ]
Lou Reed - vocals
Dick Wagner - guitar
Steve Hunter - guitar
Ray Colcord - keyboards
Prakash John - bass
Pentti "Whitey" Glan - drums
*
(Original RCA Victor "Rock 'n Roll Animal" LP Liner Cover)
(Side One)
A1. Intro/Sweet Jane - (Steve Hunter, Reed) 7:55
A2. Heroin - 13:05
(CD Bonus Tracks)
Tk3. How Do You Think It Feels - 3:41
Tk4. Caroline Says I - 4:06
(Side Two)
B1. White Light/White Heat - 5:15
B2. Lady Day - 4:00
B3. Rock 'n' Roll - 10:15
*
(Original RCA Victor "Lou Reed Live" LP Liner Cover)
(Side One)
A1. Vicious - 5:55
A2. Satellite of Love - 6:03
A3. Walk on the Wild Side - 4:51
(Side Two)
B1. I'm Waiting for the Man - 3:38
B2. Oh, Jim - 10:40
B3. Sad Song - 7:32
1年前の『トランスフォーマー』ツアーのバックバンド、ザ・トッツが下手にもほどがあるへなちょこバンドだったのに較べ、本作のバンドは『ベルリン』の天才プロデューサー、ボブ・エズリン子飼いの凄腕セッションマンがアレンジ・演奏しているのでルー・リードのライヴ史上もっともプロフェッショナルなハード・ロック寄りのパフォーマンスになっています。このバックバンドのリーダーはギタリストのディック・ワグナーで元ジャズ・ロック・バンドのフロスト出身、ワグナーには元アンボイ・デュークスのグレッグ・アラマ(ベース)とのトリオ編成の名バンド、ユーサ・メジャーのアルバム『Ursa Major』RCA, 1972があり、これは偶然ですがキング・クリムゾンの『Lark's Tongues In Aspic (『太陽と戦慄』)』1973.3のサウンドをハード・ロック寄りに寄せたような、プログレッシヴ・ロック色の強いハード・ロックの隠れた名盤でした。ボブ・エズリンは丸投げプロデューサーとしても定評があり、アリス・クーパーの『Killer』'71.11、『School's Out』'72.5、『Billion Dollar Babies』'73.2は実際はディック・ワグナー・バンドによるレコーディング作品ですし、KISSの『Destroyer (『地獄の軍団』)』'76.3などはライヴ・アルバム『KISS-Alive (『地獄の狂獣』)』'75.9が大ヒットしてツアーに明けくれ力作は出したいがレコーディングの時間のないKISSがデモ・テープをエズリンに託し、エズリンがディック・ワグナー・バンドにアレンジさせ制作してポールとジーンが歌をかぶせたアルバムです(全曲がKISSのメンバーとエズリンの共作扱いになっているほどです)。また実質的にピンク・フロイドの『The Wall』'79.11もエズリンのプロデュースで、2枚組LPを制作するのに3枚分のデモ・テープを抱えて大混乱だったフロイドがエズリンを招いて2枚組LPにまとめ直させた作品でした。実は『ベルリン』もそうで、収録曲はヴェルヴェット時代にすでに半数近くが独立した曲として書かれて未発表デモ・テープが残されており、うち2曲は最初のソロ・アルバム『ロックの幻想』で正式録音され発表済みでした。しかし『ベルリン』の全10曲をアルバム全編で長編小説のような物語性のある構成に組み立て、それに相応しいアレンジをディック・ワグナー・バンドを中心としたメンバーで施したのはエズリンの手柄でした。この1973年12月のコンサートは『ベルリン』を中心にヴェルヴェット時代の代表曲とヒット・アルバム『トランスフォーマー』の代表曲を配した極上のセット・リストになっており、ルー・リードは時期ごとにバックバンドを総入れ替えして異なったサウンド傾向を試すタイプのアーティストでしたので、ディック・ワグナーとスティーヴ・ハンターの素晴らしいツイン・ギターのバンドでルー・リードが聴けるのは本作の時期だけです。前後して数枚、海賊盤でこのバンドのルー・リードの発掘ライヴ音源も出ていますが、RCAヴィクターからの正規盤『ロックン・ロール・アニマル』『ルー・リード・ライヴ』が演奏内容、正規盤ならではの優れた録音で決定版と言えるものになっています。つまり今回ご紹介した音源です。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドとはまったく違うプロフェッショナルな音楽性のバンドですが、これもまたルー・リードのキャリアではもっとも優れたバンドの一つに数えられるでしょう。1年前のバックバンド、ザ・トッツはいったい何だったんだと苦笑してしまうほどです。