Recorded on July 11th. 1978
Released by Steeplechase Records SCS 1126, 1979
(Side A)
A1. Astro (Dickerson) - 7:52
A2. Utopia (Dickerson) - 8:10
A3. Visions (Dickerson) - 2:50
(Side B)
B1. Constructive Neutrons (Dickerson) - 10:13
B2. Space Dance (Dickerson) - 8:10
(Only on CD version)
add1. Light Years (Dickerson) : https://youtu.be/3cHjgYDdVLo - 15:21
add2. Prophecy (Dickerson) - 9:06 (no links)
[ Personnel ]
Walt Dickerson - vibraphone
Sun Ra - piano
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(Original Steeplechase "Visions" LP Liner Cover & Side A Label)
復帰後のディッカーソンはヨーロッパと日本での伝説的な人気から多作なジャズマンになり、サン・ラとの再会セッションが企画されたわけです。この全曲ディッカーソン作曲の『Visions』はソロ・ヴィブラフォン演奏によるアルバム構想で作曲されていたのではないかと思われ、ひとしきりディッカーソンのヴィブラフォンが完全ソロ演奏でテーマとインプロヴィゼーションを披露してからサン・ラのソロ・ピアノ演奏がディッカーソンに返礼し、徐々にデュエット演奏になってエンディングを迎える、という演奏フォーマットになっています。アレンジ込みの作曲だからかディッカーソンのテクニシャンぶりは壮絶で、ジャズのヴィブラフォンというとウディ・ハーマンやミルト・ジャクソンを思い浮かべていると本当にこれを人間がヴィブラフォンで生演奏しているのか、と生唾を飲み込むような超高速フレーズが駆けめぐり、しかも正確でクールこの上ないサウンドで表面上はむしろ静謐な印象すら受けます。それに応えるサン・ラもディッカーソンのコンセプトに呼応した見事な精密点描的演奏で、ベーシストもドラマーもいないヴィブラフォンとピアノのデュオだからこそできる深海のように澄明かつ水圧の高いサウンドが実現しています。連名とはいえサン・ラではなくあくまでディッカーソンのアルバムですが、これでピアノがやはりディッカーソンと縁の深いアンドリュー・ヒルだったらもっと澱んだ、切れのよくないサウンドのアルバムになっていたでしょう。ヒルのファンでもある筆者でもそう思います。