フィル・ウッズ&ヨーロピアン・リズム・マシーン Phil Woods And His European Rhythm Machine - 若かりし日 And When We Are Young (Dedicated to Bob Kennedy) (Phil Woods) (Pathe, 1968) : https://youtu.be/cHC4r8sKmvw - 13:56
Recorded at the Studios Pathe-Marconi, November 14 & 15, 1968
Released by Disques Pathe as the album "Alive And Well In Paris", SPTX 340.844 T, 1968
[ Personnel ]
Phil Woods - alto saxophone, George Gruntz - piano, Henri Texier - bass, Daniel Humair - drums
マサチューセッツ生まれの白人アルトサックス奏者フィル・ウッズ(1931-2015)は白人アルトサックス奏者としてはチャーリー・マリアーノらと並ぶチャーリー・パーカー派で、ビ・バップ全盛期末期にデビューしたもっとも若い世代でした。マリアーノもそうですが、非パーカー派や反パーカー派のリー・コニッツやアート・ペッパー、ポール・デスモンド、バド・シャンクらウッズと同世代ややや年配の白人アルト奏者は楽器の腕前はとにかく上手くてしかも味がある強みがあり、パーカー派の黒人アルト奏者のほとんどがパーカーの没後('55年~)ですら、パーカーとの比較で割を食っていたのと対照的なおもむきがあります。
バップ一筋だったウッズは生涯一流奏者でしたが、'68年にアメリカのジャズ界の不況から渡欧して、'72年の帰国までヨーロッパで現地ジャズマンと結成した「フィル・ウッズ&ヨーロピアン・リズム・マシーン」は何度かメンバーも変わりましたが、最初のアルバム『Alive And Well In Paris』はウッズの作品歴でも突出した名作になりました。ウッズのオリジナル2曲にエディ・ハリスのジャズ・ロック曲のヒット曲「Freedom Jazz Dance」のカヴァー、オリヴァー・ネルソンの名曲「Stolen Moments」のカヴァーにアルバムをソニー・ロリンズの「Doxy」で締める、と選曲も良く、ウッズのオリジナル2曲も充実しています。ウッズがパリに着いた'68年6月5日の翌6日にロバート・ケネディ(1925-1968)が暗殺される事件があり、「若かりし日」は暗殺されたケネディに捧げた曲でもあります。カルテット全体が前年'67年に亡くなったジョン・コルトレーン(1926-1967)の全盛期カルテットの影響を受けたサウンドなのは一聴してすぐわかる、非常にエモーショナルでパワフルな演奏です。