人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

ビリー・ホリデイ Billie Holiday - ソリチュード Solitude (Okhe,1941/Decca, 1947/Clef, 1952)

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ビリー・ホリデイ Billie Holiday - ソリチュード Solitude (Duke Ellington, Eddie DeLange, Irving Mills) (Columbia/Okeh, 1941) : https://youtu.be/6d4KCZwUxRU - 3:13
Recorded at 799 Seventh Avenue, New York City, May 9
Released by Columbia/Okeh Records ‎as 10" Shellac 78RPM "God Bless The Child / Solitude", Okeh 6270, 1941
[ Billie Holiday with Eddie Heywood and his Orchestra ]
Billie Holiday - vocal, Eddie Heywood - piano, Roy Eldridge - trumpet, Jimmy Powell & Lester Boone - alto saxophones, Ernie Powell - tenor saxophone, Paul Chapman - guitar, Grachan Moncur - bass, Herbert Cowans - drums

 新年最初のジャズ名曲は名曲中の名曲名唱、ビリー・ホリデイによるデューク・エリントンの最高のバラード「ソリチュード」を選びました。今までご紹介しなかったのがおかしいくらいの格調の高い名曲で、エディ・デランジとアーヴィング・ミルズによる孤独を嘆く女性の心情を描いた歌詞も素晴らしく、ジャズのバラードは短調ではなくても泣きのメロディーでなくてもこれほど切々と心にしみるという必殺の名曲です。ビリーはコロンビア(傘下の黒人音楽レーベルのブランズウィック、オーケー)からデビューし、デッカに移籍し、晩年10年間はマーキュリー(傘下のジャズ・レーベルのクレフ、ヴァーヴ)とレコード会社移籍がビリーの指向性の変化とも一致していたため、大別してコロンビア時代、デッカ時代、ヴァーヴ(マーキュリー作品はヴァーヴ・レーベルに統合されました)時代に分けられ、細かく見れば最初期のコロンビア時代と晩年のヴァーヴ時代は前期・後期に分けられますが、「ソリチュード」はコロンビア時代後期に初めて録音し、デッカ時代に再演し、ヴァーヴ時代前期にも再演している曲で、ステージ・レパートリーにはしなかったのに(ビリーはステージではバラードよりスウィンガーを好んだこともありますし、数少ないステージ用バラード・レパートリーには「ソリチュード」は入れていません)これだけ再演、再々演しているのは珍しく、3ヴァージョンともにバックの演奏も良ければ、ビリーのヴォーカルもそれぞれニュアンスを変えていますがどれも名唱です。
 コロンビア(オーケー)ではビリーのオリジナル名曲「God Bless The Child」のシングルB面にこの曲をカップリングし、デッカではやはりスタンダード「There Is No Greater Love」のシングルB面、マーキュリー(クレフ)では4曲入りEP『Billie Holiday Sings』のA2に(A1「Blue Moon」、A2「Solitude」、B1「You Go To My Head」、B2「East Of The Sun」の4曲入りEPです)配しています。CDではコロンビア時代、デッカ時代、ヴァーヴ時代のベスト盤にはたいがい選ばれている名唱・名曲・名演ですが、どこか存在感そのものが地味なのでしょうか。しかしこの曲の「In my solitude, in my SOLITUDE...」と2回くり返してメロディーの最高音にかけのぼる部分のビリーのソノリティはどのヴァージョンでも最高で、まるでビリーに歌われるために生まれてきた曲のような気すらしてきます。また、デッカ盤は名曲「What's New?」の作曲家ボブ・ハガートがベーシスト&リーダー=アレンジャーで参加しているのも今回初めて気づきました。ちなみにリンク先で誤記されているデータ類は最新の研究データと照合し、改めて記載しました。

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Billie Holiday - Solitude (Duke Ellington, Eddie DeLange, Irving Mills) (Decca, 1947) : https://youtu.be/6DVvOsiSQVw - 3:08
Recorded at 50 W. 57th Street Decca Studios, New York City, February 13, 1947
Released by Decca Records as 10" Shellac 78RPM "There Is No Greater Love / Solitude", Decca ‎23853, April 1, 1947
[ Billie Holiday with Bob Haggart and his Orchestra ]
Billie Holiday - vo, Billy Butterfield - trumpet, Bill Stegmeyer - clarinet, Toots Mondello & Al Klink - alto saxophone, Hank Ross & Art Drellinger - tenor saxophone, Bobby Tucker - piano, Danny Perri - guitar, Bob Haggart - bass, conductor, Norris "Bunny" Shawker - ds

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Billie Holiday - Solitude (Duke Ellington, Eddie DeLange, Irving Mills) (Mercury/Clef, 1952) : https://youtu.be/LT8qyyIYes8 - 3:28
Recorded at Radio Recorders, Los Angeles, California, Spring, 1952
Released by Mercury/Clef Records as EP "Billie Holiday Sings", Clef ‎EP-145, 1952

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Reissued by Mercury/Verve Records as the album "Solitude", Verve MGV-8074, 1956
[ Billie Holiday and her Orchestra ]
Billie Holiday - vocal, Charlie Shavers - trumpet, Flip Phillips - tenor saxophone, Oscar Peterson - piano, Barney Kessel - guitar, Ray Brown - bass, Alvin Stoller - drums