人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

アモン・デュールII Amon Duul II - バビロンの祭り Carnival In Babylon (United Artists, 1972)

アモン・デュールII - バビロンの祭り (United Artists, 1972)

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アモン・デュールII Amon Duul II - バビロンの祭り Carnival In Babylon (United Artists, 1972) Full Album + Bonus tracks : https://youtu.be/EBp_DjW-oK8
Recorded at BAVARIA STUDIO & Remix at Studio 70, 1971
Engineered by Peter Kramper
Released by United Artists Records UAS 29 327 I, 1972
Produced by Olaf Kubler & Amon Duul II

(Side 1)

A1. ウルクの麻薬捜査官 C.I.D. in Uruk (Weinzierl) - 5:38
A2. 年月のめぐり All the Years 'Round (Rogner, Weinzierl, Knaup) - 7:25
A3. 輝く砂のバラード Shimmering Sand (Rogner, Karrer) - 6:36

(Side 2)

B1. クロンウィンクル12 Kronwinkl 12 (Weinzierl) - 3:57
B2. 降霊術 Tables Are Turned (Rogner, Karrer) - 3:38
B3. 鷲鼻の道化師 Hawknose Harlequin (Rogner, Karrer, Meid, Weinzierl, Hausmann, Fichelscher, Leopold) - 10:04

(2002 CD Bonus tracks)

7. ライト Light (Meid) - 3:47
8. レミングマニア Lemmingmania (Weinzierl) - 2:57
9. 瞳の狭間に Between the Eyes (Karrer, Weinzierl) - 2:24
10. 年月のめぐり All the Years Round (single version) (Weinzierl, Knaup, Rogner) - 4:10

[ Amon Duul ]

Renate Knaup-Krotenschwanz - vocals
John Weinzierl - guitars, vocals
Chris Karrer - guitars, vocals, violin, soprano sax
Karl-Heinz Hausmann - keyboards
Lothar Meid - bass, vocals
Danny Fichelscher - drums, congas
Peter Leopold - drums, tambourine
Guests:
Joy Alaska - backing vocals
F.U. Rogner - organ, artwork
Olaf Kubler - soprano sax, door

(Original United Artists "Carnival In Babylon" LP Liner Cover, Gatefold Inner Cover & Side 1 Label)

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Amon Duul II - Live French TV (1971) : https://youtu.be/3gWd_41sLc4

Amon Duul II
Carnival in Babylon
★★★
AllMusic Review by Nick Burton
 アモン・デュールIIの前作に当たる画期的な2枚組LP『野鼠の踊り』より本作は実験的でない音楽的アプローチが特徴ですが、それでも独特で多彩な音楽性を示しています。本作は前作までのリバティ・レーベルから親会社のユナイテッド・アーティスツに移って発表され、初期の作品にあった大作はここではよりコンパクトな楽曲に取って代わっていますが、「ウルクの麻薬捜査官」「輝く砂のバラード」「クロンウィンクル12」などの全編にヘヴィなギターが使用された楽曲は、無茶苦茶なまでに異なるフォークとハード・ロックの要素の融合が見られます。アルバム最終曲「鷲鼻の道化師」でバンドは、中断を挟む雄大なジャムをクリス・カーレルとヤン・ヴェインツィェルの曲がりくねったギターによって締めくくります。

Amon Duul II
Carnival in Babylon
3.52/5
progrockarchive.com Review by Sean Trane
 集計では本作は3.5点ですが、過小評価された本作は4点に引き上げてもいい作品です。アモン・デュールIIは常に無秩序な模索を続け、メンバーは過去のメンバーの復帰を含めて常に変動していたので、サウンドも自然に変化を続けました。『バビロンの祭り』は確かに『野鼠の踊り』からの論理的な継承ですが、『バビロンの祭り』からの3作はこのバンドの第2期の三部作の始まりであり、『野鼠の踊り』はバンドの第1期の三部作の最後の作品と見なせます。実際、本作の音楽的な重点はかなり引き締まった曲に移行しており(音楽的な要素はアモン・デュールII本来のものですが)、かつての楽曲より顕著に短く、7分を越える曲は本作では2曲のみになっています。デビュー作以来第5作『狼の街(Wolf City)』までのアートワークを勤めたキーボード奏者ファルク・ログナーによる本作のアルバム・ジャケットにはエキゾチックな鳥が描かれ、見開きのジャケット内側にはどこかの植物園にたたずむグループ・ショットが掲載されており、アルバム・タイトル通り南半球の熱帯林を暗示しているのは明瞭です。本作での7人編成(写真に登場する5人とイギリス・ツアーへの合流)では、ゲスト参加扱いのログナー(全曲の歌詞にもクレジットされています)とプロデューサーでサックス奏者のオラフ・キューブラーが含まれていました。本作はバンドの故郷ミュンヘンで1971年後半にそのメンバーで制作され、当初は今回も2枚組LPとしてリリースされる予定だったようです。アルバム・タイトルとアートワークが示唆するように、本作にはいくつかのエスニックなフォーク曲によってエキゾチックな雰囲気が差しはさまれます。「年月のめぐり」と「降霊術」はともにレナーテ・クラウプが歌い、本作に含まれるはずだった『地獄!』系統の楽曲を想像させます。「ウルクの麻薬捜査官」のような他の数曲はまだ'60年代風のサイケデリックなムードがあり、非常にユニークなギターソロにバンド全体の下降するラインが楽曲を終結させています。ジャムセッションから長くミックスされた「鷲鼻の道化師」(裸のラリーズ「夜、暗殺者の夜」参照)とベースとオルガンがベースラインをユニゾンする「輝く砂のバラード」は本作中もっとも印象的な2曲です。また「クロンウィンクル12」はこのアルバムでは知名度の高い楽曲で、優れたベースラインが聴きどころとなっています。また2002年のCD再発では同時期にシングルでのみ発売された4曲がボーナス・トラック収録されています。なおも本作がアモン・デュールIIのアルバム中で占める位置に戸惑う場合は、前後の『野鼠の踊り』と『狼の街』を聴き返されればその2作の間にぴったり収まることが納得できるでしょう。