人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

エルモ・ホープ・セクステット&トリオ Elmo Hope Sextet and Trio - ホームカミング!Homecoming ! (Riverside, 1961)

エルモ・ホープ - ホームカミング!(Riverside, 1961)

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エルモ・ホープセクステット&トリオ Elmo Hope Sextet and Trio - ホームカミング!Homecoming ! (Riverside, 1961) Full Album + Bonus tracks : https://youtu.be/wybeNU98q4w
Recorded at Bell Sound Studios, New York, June 22 (Sextet) and June 29 (Trio), 1961
Released by Riverside Records RLP 381, 1961
Produced by Bill Grauer
All compositions by Elmo Hope except as indicated

(Side 1)

A1. Moe, Jr. - 5:56
2. Moe, Jr. (alternate take, CD Bonus track) - 4:41
A2. La Berthe - 3:14
A3. Eyes So Beautiful as Yours - 6:33
A4. Homecoming - 5:15

(Side 2)

B1. One Mo' Blues - 6:48
B2. A Kiss for My Love - 5:33
8. A Kiss for My Love (alternate take, CD Bonus track) - 5:39
B3. Imagination (Johnny Burke, Jimmy Van Heusen) - 6:43

[ Elmo Hope Trio and Sextet]

Elmo Hope - piano
Blue Mitchell - trumpet (tracks A1, 2, A4, B2 & 8)
Frank Foster, Jimmy Heath - tenor saxophone (tracks A1, 2, A4, B2 & 8)
Percy Heath - bass
Philly Joe Jones - drums

(Original Riverside "Homecoming !" LP Liner Cover & Side 1 Label)

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Homecoming !
Elmo Hope
AllMusic Ratings★★★★
AllMusic User Ratings★★★★1/2
AllMusic Review by Brandon Burke
 本作『ホームカミング!』は常にトラブルがつきまとったエルモ・ホープのキャリアの中でも特筆すべきアルバムとなった。長期におよんだロサンゼルス移住から帰郷したホープは本作でトップクラスのプレイヤーからの歓迎を受け、リフレッシュされた姿を聴かせてくれる。セクステットにはテナーサックス奏者のフランク・フォスターとジミー・ヒースがトランペット奏者ブルー・ミッチェルとともにフロント・ラインを勤め、トリオ編成の全曲を含めてベーシストにはパーシー・ヒース、ドラムスにはフィリー・ジョー・ジョーンズが参加している。オリジナルLPの全7曲のうち4曲はセクステットによって演奏され、ファンタジー・レコーズのオリジナル・ジャズ・クラシックス盤CDではセクステットのうち2曲のオルタネイト・テイクが聴くことができる。本作ではタッド・ダメロン風のバップ曲がアルバム全編を熱く織りなしている。フランク・フォスターのテナーサックス演奏はアルバムの勢いあるオープニング曲「Moe, Jr.」で特にフィーチャーされている。収録曲中3曲のバラードは、ホープの他のアルバムで聴ける同種の曲よりも新鮮で、ホープの不遇を補って余りある。参加メンバー全員がここでは素晴らしい演奏を披露し、グレイトなハード・バップアルバムとして本作を推薦できる仕上がりに仕立てている。

註(1)*ビーコン、セレブレティ両レーベルに先にレコーディングしたトリオ作品『ヒアズ・ホープ!(Here's Hope !)』『ハイ・ホープ!(High Hope !)』はともに1962年発売と遅れ、またR&Bレーベルからの作品だったためまったく注目されなかったので、ロサンゼルスから帰郷したエルモ・ホープの帰郷第1作は通常本作『ホームカミング!』と見なされています。ブルー・ノートからデビューし、プレスティッジに移籍し、さらにリヴァーサイドと契約するまでホープは先輩セロニアス・モンクと同じ道をたどりましたが、リヴァーサイドでついに一流ミュージシャンとしての地位を固めたモンクに対してホープはリヴァーサイドの作品でも当時ほとんど注目されずに終わることになります。

註(2)*マスター・テイクに選ばれたA1「Moe, Jr.」はテイク4で、没テイクとなったボーナス・トラックの同曲はややテンポが遅いテイク2ですが、テナーサックス奏者2人のうちテイク4で先発ソロを取るのがフランク・フォスター、テイク2で先発ソロを取るのがジミー・ヒースと判別すると2人のテナーサックス奏者の音色とフレージングの聴き分けができます。お試しください。