人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

ミッキー・ドレンツ(ザ・モンキーズ)最新作!

ドレンツ・シングス・R.E.M. (7a Records, 2023)
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Dolenz Sings R.E.M. (EP, 7a Records, 2023) : https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kVXGHk9fih8Aak3vqq8sJAnshsGbKJ8GY&si=LLWDXQ-X5j-WGUe-
Released by 7A Records 7A061EP (12\", 33 ⅓ RPM, EP, Yellow Vinyl), 7A060 (CD, EP), November 3, 2023
Produced by Christian Nesmith
All Songs Written by R.E.M. (Michael Stipe, Peter Buck, Mike Mills)
(Tracklist)
1. Shiny Happy People - 4:13 : https://youtu.be/NKSRntMvqMQ?si=yq2N6NfF-9ONHpJw
2. Radio Free Europe - 5:06
3. Man On The Moon - 4:59
4. Leaving New York - 4:53
[ Personnel ]
Micky Dolenz - Vocals
Christian Nesmith - Produce, Recording, Mixes, Guitar, Bass, Keyboards, Percussion, Backing Vocals
Christopher Allis - Drums
Circe Link - Backing Vocals
Coco Dolenz - Alto Vocals on “Shiny Happy People”
Glenn Gretlund - Executive-Producer
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 イギリスのモンキーズ関連作品専門インディー・レーベル7Aレコーズは2015年の創設以来80点を越えるモンキーズのメンバーの発掘ライヴ、ソロ作品の再発売、未発表スタジオ録音、新作ソロ作品をリリースしてきましたが、7Aレコーズ85作目としてこの2023年11月3日にリリースされたミッキー・ドレンツ(1945~)のR.E.M.カヴァー集EPは素晴らしい内容で全世界のモンキーズ・ファンを歓喜させる内容になりました。R.E.M.は言うまでもなくアメリカの大物バンドで、1980年結成、1982年にデビューし、2011年の解散まで15作のスタジオ・アルバムをすべてゴールド、プラチナ・アルバムにさせ、トップ10アルバムを8作、うち6作をトップ3に、2作をNo.1アルバムにしています。もともと‘60年代ポップス、‘60年代ロックに憧憬の深いR.E.M.はデビュー時からザ・バーズに比較されましたが、シングルB面やEP、ライヴでは多くの‘60年代ポップス、ロック曲をカヴァーしていたことでも知られた奥ゆかしいバンドで、この『Dolenz Sings R.E.M.』にもR.E.M.の元メンバーの賛辞が寄せられています。

「These songs are ABSOLUTELY INCREDIBLE. Micky Dolenz covering R. E. M. Monkees style, I have died and gone to heaven. Give it a spin. It's wild. And produced by Christian Nesmith (son of Michael Nesmith), I am finally complete (ミッキーがR.E.M.の曲をモンキーズのスタイルでカヴァーしてくれたあまりの素晴らしさに、昇天して天国にいる気分です。ぜひお聴きください。マイク・ネスミスの子息クリスチャン・ネスミスのプロデュースがこのEPを完璧にしています)」(マイケル・スタイプ、ヴォーカル)

「That voice-one of the main voices of my musical awakening-singing our songs... It is beyond awesome. Let's help make this as huge as we possibly can. I am beyond thrilled. (ミッキーは私を音楽に目覚めさせてくれたヴォーカリストの一人で、どんな讚美も超越しています。どれだけ絶讚してもし足りないほどで、興奮が抑えきれません)」(マイク・ミルズ、ベース)

「I've been listening to Micky's singing since I was nine years old. It's unreal to hear that very voice, adding new depth to songs we've written ourselves, and inhabiting them so completely. (ミッキーのヴォーカルは9歳から聴き続けてきました。R.E.M.の曲にさらに深みを与えてくれたミッキーのヴォーカルは、この世のものとは思えないほど完璧です)」(ピーター・バック、ギター)

 本作のフィーチャリング・トラックとしては「Shiny Happy People」のMVが製作されました。R.E.M.のオリジナルでケイト・ピアソン(the B-52's)がゲスト参加していた女性ヴォーカル・パートはミッキー・ヴァージョンではミッキーの妹、ココ・ドレンツが参加しています。本作のリリースには7Aレコーズ創設以来のキャンペーンが張られ、R.E.M.のメンバーの出身地にして結成地のジョージア州アセンズでR.E.M.のメンバー全員参加の発売祝賀会が行われ、ミッキー・ドレンツはアセンズの名誉市民賞を授与されました。

 本作の録音、ミックス、プロデュースに加えほとんどすべてのバック・トラックをこなしたクリスチャン(クリス)・ネスミス(1965~)の手腕は、尊父の故マイク・ネスミスの才能を受け継いだもので、ひょっとしたらモンキーズ~各メンバーのアルバムを手がけてきた中でも最高のプロデューサーかもしれません。全盛期モンキーズのアルバムと並べても遜色のない本作を聴くとそう思えてきます。そしてもちろん主役ミッキーのモンキーズ全盛期から55年以上を経て変わりない張りのあるヴォーカル!比較しても仕方ありませんが、つい先日「最後の新曲」を出したあのグループの「最後の新曲」とは現役感からしてまるで違います。ミッキーがカヴァーしたR.E.M.の楽曲はいずれも優れた楽曲ですが、はっきり言ってミッキーのヴォーカルとクリス・ネスミスの素晴らしい歌とアレンジでR.E.M.のオリジナルを越えています。R.E.M.のオリジナル・ヴァージョンを上げておきましょう。
R.E.M. - Shiny Happy People (from the album “Out of Time”, Warner Bros., 1991/US#10) - 3:45 : https://youtu.be/YYOKMUTTDdA?si=2E_jK4v_jbwq0aGh
R.E.M. - Radio Free Europe (from the album “Murmur”, I.R.S, 1982/US#78) - 4:06 : https://youtu.be/Ac0oaXhz1u8?si=Z-dc_uWICXRweWTM
R.E.M. - Man On The Moon (from the album “Automatic for the People”, Warner Bros., 1992/US#30) - 5:14 : https://youtu.be/dLxpNiF0YKs?si=mhvBd4Cn0nQtnefL
R.E.M. - Leaving New York (from the album “Around the Sun”, Warner Bros., 2004/US-AAS#1) - 4:49 : https://youtu.be/wo6Vh4Uz7Sk?si=htrxsHttJmaApfo0