人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

真似句亭日乗(20)離婚事情回想9

「未決囚人監(拘置所)の話の続き。その前に余談。ぼくなど昨年春のアルコール依存症学習入院では「5年後生存率50%ですよ」と言われてしまった男です。なーんだ、そんなに生きてるのかとうっかり苦笑したら叱られてしまいました。学習入院で判ったことはアルコール依存症と肝臓をはじめとする臓器へのダメージのメカニズム、そしてまだぼくはアルコール依存症には至っていないこと、ただし素質的にはアルコール依存症に進む可能性が大いにあるので飲酒には気をつけること、などでした。

話題を拘置所に戻します。「雑居房と独居房ではどちらがマシか?」というのは、経験者であるぼくにとってもにわかには断定できない問題です。
一般的に?独居房はリピーターからは恐れられています。職業的犯罪者はつるむのは得意だけれど孤独には弱いのです(だから独居房は懲罰房の役割も兼ねています)。ぼくが志願して独居に移る時には房長はじめ唖然としていました。
なんの説明もなくぶちこまれたのが雑居房なら話し相手(勝手にいろいろ教えてくれる)がいますが、独居にはいません。
雑居房は大人3人肩車しても届かない天井の高さで、独居の天井は普通の住宅の1.5倍くらいの高さです。独居で自殺するとしたら畳3・板の間1の板の間かな。
ぼくは留置場ではずっとひとり部屋でしたが、拘置所の独居房の圧迫感は比較にならないくらいでした。
「ガラス棒検査」とは?ぼくの場合は留置場に拘置されてから告訴状が作成され、拘置所に押送という流れです。これが告訴→逮捕の場合留置場ではなく直に拘置所に入りますから、直腸に隠したものはないかガラス棒で検査されます。ペニスにパールを入れてないかも訊かれます。ついでながら入所や裁判の時の出入りには下着一枚で金属探知機をくぐります。惨めなものです」
「直腸に何を隠すんですか?凶器?ドラッグ?」
「どちらかでしょうね、両方は無理だから(笑)。どっちにしても隠した本人が危険だからまずやらないと思いますが。そこら辺は取材が足りませんでした。もっと雑居の連中と雑談していれば聞けただろうけど、ぼくは無駄口に加わらなかったから。
女囚房もぼくには永遠の謎です。細かい規則にはかなり違いがあるだろうし、人権配慮の面でも違いがありそうです。なによりどんな雰囲気の場所なのかは想像の及ばないところがあります」