人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

年末年始は歌合戦

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これを掲載する頃にはきっとスポーツ新聞は「紅白のレディ・ガガ」の記事を組み始めている最中だと思うが(なぜ紅白招聘外国人歌手は「サラブライトマン」といい「レディガガ」といい-あえて句点を外した-競馬馬みたいな芸名ばかりなのだろうか?)ぼくの年末年始の読書はもう四半世紀以来決っている。四巻本の「ボードレール全集」(人文書院)と六巻本の「高村光太郎選集」(春秋社)で、別れた妻にはよく悪趣味だと苦笑されたものだ。妻だって三好達治訳の「パリの憂愁」くらいは愛読していたが、全集なんか読んだって九割がた無駄、という健全な考えの持ち主だった。
そして年末年始の読書のお供に何を聴きたくなるかというと、ひとりのミュージシャンの音楽にじっくり向きあうのはちょっとかったるい。オムニバス・アルバムがいい。雰囲気の統一感はぜひほしい。だが統一テーマのアンソロジーはかえって作為が見えたり凝りすぎていたりしてくつろげない。できれば祭りの華やかさと宴のあとのさびしさが、ともに味わえるものがいい。
そこで70年代ロック少年はいい歳のじじいになってもこの辺りを繰り返し聴いているのだった。上から、

ウッドストック(1970)
バングラデシュ・コンサート(1971)
●ラスト・ワルツ(1978)
マッド・ドッグス&イングリッシュメン(1970)

どれもオムニバス・アーティストによるライヴ・アルバムで、当時としては画期的なことにコンサートの記録映画も制作・公開されヒットしている。映画版「ウッドストック」や「ラスト・ワルツ」はレッド・ツェッペリンのコンサート映画「永遠の詩」やニューポート・ジャズ・フェストの「真夏の夜のジャズ」と並ぶ名画座の定番で、ぼくもホームヴィデオ普及以前には飯田橋高田馬場に見に行ったものだ。
どれも有名なアルバムだから詳細な解説は省くが、「ウッドストック」はロックフェスティヴァル、「バングラデシュ」はジョージ・ハリスン主催のチャリティ・コンサート、「ラスト・ワルツ」はゲスト多数を迎えたザ・バンドの解散コンサート、「~イングリッシュメン」はレオン・ラッセルスペシャル・バンドをバックにしたジョー・コッカーのレビュー・スタイルのライヴ・アルバム、といったところだ。「ウッドストック」や「ラスト・ワルツ」は今やDVDのほうがCDよりも長くて安い。映画料金よりも。