人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

『アイ・ドント・ビリーヴ~』

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ボブ・ディラン(1941-)フォーク時代最後のアルバム「アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン」'Another Side Of Bob Dylan'1964より、原題'I Don't Believe You'。これも名曲。発掘ライブ「ロイヤル・アルバート・ホール1966」ではホークス(後のザ・バンド)をバックにしたロック・ヴァージョンが聴ける。そのヴァージョンの歌詞だけ変えたのがディランと親好が深かったフェイセズのシングル'Cindy Inddentally'1973で、メンバーのうち3人の共作になっている。だいたいジャズやブルース、ロックのミュージシャンはオリジナリティはあまり気にしないものなのだ。

『アイ・ドント・ビリーヴ・ユー』

ぼくにはわからない、彼女はぼくの手を離し
ぼくは壁を向いたまま残された
なぜ彼女は行ってしまったのか、ぼくはわかりたい
だけど彼女はぼくをよせつけない
ぼくたちは荒々しい夜を突きぬけてキスして
彼女は決して忘れないと言ったが
朝が澄みわたると、まるでぼくはいないみたいで
彼女はぼくたちが会ったこともないように振るまう

まるで神秘のように、すべてがぼくには初めて
まるで神話みたいに
彼女が昨夜ぼくと一緒に、すごした彼女と同じ人と
考えるのも難しい
暗闇になり夢は棄てられてしまった
ぼくはまだ夢を見ているのか?
彼女がもういちど、声を開いてほしい、だって
彼女はぼくたちが会ったこともないように振るまう

ぼくが憶測しないでいいなら、喜んで告白するよ
ぼくがやろうとしたことすべてを
ぼくが長すぎたり、間違ったことをしたなら
彼女が言ってくれればぼくは走って隠れるから
彼女のスカートはギターを弾くとゆれて、くちもとは潤んでいたが
今の彼女は同じではなく、なにかが変ってしまった
彼女はぼくたちが会ったこともないように振るまう

ぼくは今日旅立つ、自分の道を行くんだ
あまり言いたくないことだけど
だけどきみがぼくも、きみのようにぼくも
ぼくたちが触れあったことなどないようなふりをするのを望むならするよ
誰かに「忘れられるかい?」と訊かれたら
ぼくは言おう「簡単さ、誰かと付きあってから
ぼくたちが会ったこともないように振るまえば」
(前記アルバムより)