人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

ジュセッピ・ローガン健在なり。

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この人(図版上)はぼくのアマチュア・ジャズマン時代の憧れのひとりだった。フリー・ジャズの温床ESPレーベルの第1回リリース(1964年)にアルバート・アイラー・トリオらと共に選ばれ話題となったものの(図版下)、翌年の平凡な第2作で消えていった。ちなみにローガン(アルト・サックス)以外のメンバーはみんな出世したのが悩ましい。
ローガンは消息不明となった。ホームレスと精神病院入院の噂がとんだ。2007年にローガンの路上インタビューがYouTubeにアップされ、今でも最新映像が載る。ホームレスになり、その後30年間入院し、退院後は再びホームレス生活をしていたが現在は施設に入居できたという。79歳の高齢だ。音楽活動にも意欲を燃やしている。

そして45年ぶりのアルバムがリリースされた(図版中)。若き日のアルバムですら「ただ単に下手なんじゃないか」と言われてきたが、ヘロヘロぶりに磨きがかかった。楽器が全然鳴ってない。音程もひどい。ここまでひどい出来ばえでは、普通発売されないだろう。でもいいのだ、ジュセッピ・ローガンだから。
ぼくもローガン・カルテットのアンサンブルを自分たちのバンドで試していた時は楽しかった。変な音楽をやるにもいろいろやり口があって、しっくりこないのもあれば水を得た魚のように解放してくれるものもあった。
ジュセッピ・ローガンからぼくたちのバンドが学べたものは実に多かった。

YouTubeの「ジュセッピ・ローガンの近況」シリーズは20本あまりあった。公園での練習風景をとらえたものが一番多い。「ジュセッピ・ローガンにお金を」「ローガンに壊れていない楽器を」と呼び掛けるものも多い。1966年制作のドキュメンタリーで若きローガンとBGMに使われてた代表曲「サタンのダンス」のライヴ・ヴァージョンには泣けた。公園で息子づれのローガン。別のクリップでは「40年ぶりの父子対面」企画があったが、子息の都合で実現しなかった。そういうものだ。
そして喫茶店でのミニ・ライヴがあった。曲は「オーヴァー・ザ・レインボウ」。全然吹けていない。音程はひどいしブレスが不安定でリズムも崩れてしまう。サイドマンがなんとか収拾つけようとするのだが、御歳79歳のひた向きな演奏はバンドの音をなし崩しにしてしまうのだ。
暖かい拍手。ローガンは幸せに違いない。