人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(5)映画「Yes! プリキュア5」

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前作の玩具売り上げ・映画興行収入不振から突然セーラームーン化した5人体制のプリキュア。だがセーラームーンプリキュアミッシング・リンクにやはり5人の中学生少女の魔法バトル作品「東京ミュウミュウ」02.4-03.3があり、漫画版は「なかよし」掲載だったから、東映アニメーション制作のテレビ・シリーズで大ヒットし流行語を生み出すまで一世を風靡した「セーラームーン」とは大人の世界で話がついていただろう、と思われる。

プリキュア5のネーミングはキュアドリームキュアルージュキュアレモネードキュアミントキュアアクア。性格はセーラームーンの5人以上にきっちり分けられている。「東京ミュウミュウ」が参考作品になったのでは(あちらはやや対象年齢が高いが)と思われる面もある。
また、全シリーズ中唯一恋愛要素が描かれた作品であり、プリキュアのように厳密に倫理コード(水着シーンさえない)が守られているシリーズでは異例ともいえる(だが登場人物を引き継いだ次作では恋愛要素は消える)。
5人ともなると変身条件に制約があると不自由になるので、パートナー妖精なし・単独で変身可能になった。玩具売上は105億円。

「映画Yes!プリキュア5 鏡の国のミラクル大冒険!」は07.11・監督=長峯達也・東映配給・70分・興行収入8億円。この作品から「観客参加型映画」として中学生以下の入場者にプリキュア応援用の「ミラクルライト」がプレゼントされるようになった。
前売券は前作の2.5倍、初日2日の観客動員は3倍と、テレビ・シリーズの人気が反映したヒットだろう。

物語はテーマパークに出かけたプリキュア一行がナイトメアに滅ぼされたパルミエ王国の王子ココとナッツを鏡の国に拉致され、鏡の国でココたちから「55の小妖精ピンキーを集めれば願いが叶う」というドリームコレットを奪われ、鏡の国の宝石クリスタルから複製された5人のダーク・プリキュアを撃破し、シャドウからドリームコレットを奪還・ココとナッツを救出しシャドウを倒す、というもの。
このダーク・プリキュアの設定が映画第2作のプリキュア同士討ちへの反省から生まれたもので、この作品のハイライトとなっている。敵にすら「友達になろうよ」というドリームを見よ。(続く)