人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

はっぴいえんど(1970-1973)

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はっぴいえんどの歌詞をご紹介したい。前二篇はファースト・アルバム(1970)、後二篇は第二作「風街ろまん」1971から選んだ。
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『春よ来い』

お正月と云えば 炬燵を囲んで
お雑煮を食べながら
歌留多をしていたものです
今年は一人ぼっちで 年を迎えたんです
除夜の鐘が寂しすぎ
耳を押さえてました
家さえ飛び出なければ 今頃皆揃って
お芽出度うが云えたのに
何処で間違えたのか
だけど全てを賭けた 今は唯やってみよう
春が訪れるまで 今は遠くないはず
春よ来い 春よ来い
(松本隆作詞・大滝詠一作曲)

『12月の雨の日』

水の匂いが眩しい通りに
雨に憑かれたひとが行き交う
雨あがりの街に風が不意におこる
流れる人波をぼくはみている ぼくはみている
雨に病んだ乾いたこころと
凍てついた空を街翳が縁どる
雨あがりの街に風が不意におこる
流れる人波をぼくはみている ぼくはみている
(同)


『抱きしめたい』

淡い光が吹きこむ窓を
遠い田舎が飛んでゆきます
ぼくは煙草をくわえ一服すると
きみのことを考えるんです

熱い煙を吐き出しながら
白い荒地を切り裂いて
冬の機関車は走ります
きみの街はもうすぐなんです

ゴオ ゴオ ゴオと
雪の銀河をぼくは
まっしぐらなんです

飴色の雲に着いたら
浮かぶ駅の沈むホームに
とても素早く飛び降りるので
きみを燃やしてしまうかもしれません
(同)

『風をあつめて』

街のはずれの背伸びした露地を
散歩してたら汚点だらけの
靄ごしに起きぬけの路面電車が海を渡るのが見えたんです それでぼくも
風をあつめて 風をあつめて
青空を翔けたいんです
青空を

とても素敵な昧爽時を
通り抜けてたら伽藍とした
防波堤ごしに緋色の帆を掲げた都市が
停泊してるのが見えたんです それで ぼくも
風をあつめて 風をあつめて
青空を翔けたいんです
青空を

人気のない朝の珈琲屋で
暇をつぶしてたらひび割れた
瑠璃ごしに摩天楼の衣擦れが舗道を
ひたすのを見たんです それで ぼくも
風をあつめて 風をあつめて
青空を翔けたいんです
青空を
(松本隆作詞・細野晴臣作曲)