ところでこの連載は25人で終るはずではなかったか?そんなわけにはいかない。ウィントン・マルサリスで終る連載などリー・モーガンが泣いている。そこで25人に洩れたジャズマンをあと最低でも5人は追加したい。では誰を、と考えたら真っ先に浮かんだのがこの人、ジャズを好きになる人なら必ず好きになる永遠の青年、ジャッキー・マクリーンなのだった。
なにしろマクリーンのCDをかけるといきなり部屋がジャズ・クラブになる。これは特に50年代のアルバムに顕著で、日本でもアメリカでのリリースからさほど遅れず発売されたプレスティッジ第2作「4、5&6」1956(画像2)は選曲の良さ(スタンダードとオリジナルの配分、程好く多彩な曲調)もあって今日までロング・セラーとなった。
ジャズ喫茶ではマクリーンは定番となり、入手困難だった初リーダー作「ジャッキー・マクリーン・クインテット」1955(画像1)はジャズ喫茶のステイタスとなった。デビュー盤となったマイルス「ディグ」では一歳上のロリンズに圧されていたが、その後マイルス・バンド2枚に参加。ジョージ・ウォーリントン・クインテットのアルバム(1955)でスタイルを確立した後の初リーダー作だった。
マクリーンは56-57年だけで36枚の録音がある。チャールズ・ミンガスのバンドとジャズ・メッセンジャーズかけもちだったからで、リーダー作は9枚だが、あと1枚上げるなら「マクリーンズ・シーン」1957(画像3)がいい。本当にジャズならではの美しさがある。