人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(43a)デイヴ・ブルーベック(p)

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

Dave Brubeck(1920-2012,p)。
昨年92歳の長寿をほとんど生涯現役で全うしたデイヴ・ブルーベックは公平に見れば20世紀のジャズを代表する数人のうちに含まれるだろう。それほどポピュリラティを誇るジャズマンだった。
ブルーベックは初期に'Dave Brubeck Octet','The Dave Brubeck Trio(with Cal Tjader)'(共に50年)などをブルーベック自身のレーベル'Fantasy'から出しており、前者はマイルス「クールの誕生」、後者はジョージ・シアリングの路線で独自性は狙っていない。独自の音楽性を確立しコロンビアに移籍して全国区になったのは54年10,11月録音の'Brubeck Time'からだった。
ブルーベックの成功は素晴らしいアルトの名手ポール・デスモントと組んだカルテットでの活動による。

'Brubeck~Desmond'(画像1,51.8,52.9録音の10インチLP2枚のカップリング)は'Foggy Day''Stardust'などのスタンダードも初々しく、甘美なオリジナル'At The Perfume Counter'もいい。
'Jazz At The Blackhawk'53.2,9,12(画像2)はサンフランシスコの有名ジャズ・クラブでの擬似?ライヴ。スタンダード'Blue Moon','My Heart Stood Still'に聴き惚れ、オリジナル'Trolly Song'のリハーサル・ヴァージョンの魔法のようなアンサンブルにハッとする。
'Jazz At Oberlin'53.3(画像3)はオバーリン大学での熱狂のライヴで出世作。全5曲すべてを推奨する。1.'These Foolish Things',2.'Perdido',3.'Stardust',4.'The Way You Look Tonight',5.'How High The Moon'。ブルーベック・カルテットは学園祭ツアーで成功した初のバンドになった。
なお、ここまでベースはロン・クロッティ、ドラムスはロイド・デイヴィス。後にカルテットはジーン・ライト(ベース)、ジョー・モレロ(ドラムス)で全盛期を迎えるが、この初期メンバーも十分な音楽的結束力を感じさせる。