人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

ジャズ・ヴィブラフォンについて

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MJQの『朝日のようにさわやかに』お聴きになりましたか。曲も名曲ですが、60年も前の音楽が新鮮に聴けるのは驚くべきことです(今売れている音楽は2073年になっても聴かれるでしょうか?)。MJQは毎年来日していたので、来年でいいやと思っているうちにミルト・ジャクソンの逝去で解散してしまったのが無念です。

ヴィブラフォンとは正確には電気楽器で、モーターで鉄琴部を振動させて独特の柔らかい響きを出しています(モーターを止めたミュート奏法というのもあります。硬く金属的な音になります)。高価で特殊な楽器なので演奏家も少ないのですが(マリンバはもっと少なく、ヴィブラフォン奏者の兼任が多くなります)、ジャズではスウィング・ジャズ時代(1930年代)からライオネル・ハンプトン(ベニー・グッドマン楽団)という人がいて、モダン・ジャズではやはりMJQのミルト・ジャクソンの存在が大きいですね。数こそ他の奏者より少ないけれど、優れたヴィブラフォン奏者はまだまだいます。
(MJQは一貫してヴィブラフォンを'Vibraharp'と表記していました)。

MJQに先立ち、ヴィブラフォンをフィーチャーして成功をおさめたグループにGeorge Shearing Quintet'September In The Rain'49,50があります。マイルスやMJQに与えた影響は多大です。
Milt Jacksonのソロでは'Opus De Jazz'55(画像1),ハード・バップ末期には共に32歳で事故死したLem Winchester'Winchester Special'59,Eddie Costa'Guys And Dolls'58、マイルスとも共演したVictor Feldman'The Arrival'58年などが定評のあるヴィブラフォン・ジャズの名作アルバムです。

60年代以後の新しいジャズでは大傑作'To My Queen'62(画像2)で「ヴィブラフォンジョン・コルトレーン」と呼ばれたWalt Dickerson,60年代後半以降ジャズ・ヴィブラフォンの巨匠となったBobby Hutcherson('Happenings'66・画像3),Gary Burton('Duster'67)がいます。黒人奏者と白人奏者が半々なのも特徴といえるでしょう。