コメントありがとうございます。ブルーノートはジャズ・クラブやジャズ・フェスティヴァルに商標を貸し出ししているくらいのブランド名になっていますから、あながち勘違いでもありません。そのくらいブルーノート=黄金時代のモダン・ジャズというイメージは浸透しています。
もっともそれはブルーノート社が制作を休止していた70~80年代に定着したもので、全盛期のブルーノートは社長と専務と秘書(社長夫人)の三人だけで細々と営業しており、ミュージシャンとの信頼関係だけを頼りに名作を作り続けていました。ジミー・スミスのような例外を除けばどのLPも初回プレス300枚~500枚で、無名の有望新人や渋い中堅のアルバム制作が中心だったので売れ行きは悪く、弱小会社なので広告もあまり打てずジャズ雑誌でも注目されない、というパッとしない存在でした。
評価が一変したのは10年~30年後になって新人たちが大物に出世し、ブルーノート時代に残した初期作品が名盤の宝庫だと認められてからです。ソニー・クラーク、グラント・グリーンをはじめとしてブルーノート時代だけで全キャリアを終えてしまったジャズマンの存在もブルーノートの価値を高めました。
ブルーノートがジャズのすべてではありませんが(つまらないアルバムもかなりあります)、ブルーノートがなかったらと思うとその存在の大きさに唖然とします。そのくらい重要なモダン・ジャズの名作を送り出してきた会社でした。
ちなみに、いい動画を紹介してくださってありがとうございました。すごいメンバーですね。ハービー・ハンコック(ピアノ)をリーダーに、トランペットはフレディ・ハバード、テナーサックスはジョー・ヘンダーソン、ベースはロン・カーター、ドラムスはトニー・ウィリアムズ。奇遇というか、全員ブルーノート育ちの同世代ジャズマンになります。
ドラムスのトニーは90年代末に、トランペットのフレディとテナーのジョーは10年ほど前に亡くなったと思うと感慨深いです。この人たちが現役の大物の頃にジャズを聴き始めたので、まだ亡くなったという感じがしません。ジャズ・クラブで死去の前年に見たトニーはすごかった!客席を通って楽屋に戻る時見たら身長150cmもないのも感心しましたが。(マイルスの自伝で「あのチビ」と呼ばれていたのは年齢だけではなかったわけです)。