人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(48c)レッド・ガーランド(p)

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Red Garland(1923-1984,piano)。
マイルス四部作の56年5月11日セッションの後、
Sonny Rollins'Tenor Madness'57.5.24(画像1)
-が録音される。ガーランド唯一のロリンズへのサイドマン作で、チェンバース(ベース)、フィリー・ジョー(ドラムス)ともどもマイルス・クインテット仲間だった。コルトレーンも見学に来て、12分のタイトル曲でロリンズとテナー・バトルする。
このアルバムは6月録音の「サキソフォン・コロッサス」と並ぶロリンズの名作で、タイトル曲以外の4曲はオリジナル1曲・スタンダード3曲だが全曲いい。ドビュッシーの改作'My Reverie'はリリカルな名演。

A Garland of Red(画像2)56.8.17
-は、ガーランド初のリーダー作でピアノ・トリオ作品。ベースはチェンバースでドラムスはアート・テイラーが担当し、以後このトリオがガーランド作品の基本メンバーになる。全8曲は'Foggy Day','My Romance','You Don't Know What Love Is'などベタな選曲のスタンダード6曲にパーカー曲1曲、オリジナルのブルース'Blue Red'という配分。ガーランドのスタイルは完成されており、マイルス・バンド在籍中の第1作だからか演奏の密度は高い。トリオだと当然ながらベースとドラムスの比重も高くなる。ガーランド・トリオの魅力は主役と同等にチェンバースとテイラーの存在が大きい。

次のアルバム、
Tenor Conclave(画像3)56.9.7
-はトリオに4人のテナー奏者を迎えた全4曲のスタジオ・ジャム・セッションで、ハンク・モブレー、アル・コーン、ジョン・コルトレーンズート・シムズの順に名前が並ぶ(ジャケット参照)。アル&ズートは元々コンビを組んでいた白人テナーでアルはざらついた音色、ズートは優れたスウィング感に特徴がある。モブレーはマックス・ローチに見出だされジャズ・メッセンジャーズで名をあげた黒人テナーで暖かい音色と洗練されたフレージングで若手のホープだった。コルトレーンひとりが硬質なスタイルで際立っているのがわかる。ガーランドはセッションをそつなくまとめあげている。