人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(48m)レッド・ガーランド(p)

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Red Garland(1923-1984,piano)。
「スタンダード・コルトレーン」58.7.11の残り2曲と「ザ・ビリーヴァー」「スターダスト」58.12.26の残り3曲から編まれた拾遺アルバム、
John Coltrane'Bahia'(画像1)
-は「ザ・ラスト・トレーン」と共に65年の発売(64年説もあり)となった。まとまりは7月録音の2曲'I'm A Dreamer(Aren't We All),'My Ideal'の方がいいが12月録音分はコルトレーンのワンホーンが'Bahia','Goldboro Express'で前者はラテン・ナンバー、後者はピアノレス・トリオでコルトレーンの久々のオリジナルになり、奔放な演奏が聴ける。5月録音の「ブラック・パールズ」ではやりすぎだったので7月録音で軌道修正し、12月の契約満了セッションではアルバム3枚に分割されるくらいいろいろ試してみた、ということだろう。ガーランドも健闘したが、アトランティック移籍後のコルトレーンからお呼びはなかった。マイルスからも解任され、コルトレーンにも拾われず、この後のガーランドは自分のトリオだけでやっていくことになる。

Red ln Bluesville(画像2)59.8(4?).17
-はドラムスはアート・テイラーだが、ベーシストはサム・ジョーンズになっている。ポール・チェンバースはマイルス・セクステットに残ったのでガーランドの後任のビル・エヴァンスウィントン・ケリーにとられてしまった。結果的にチェンバースより乗りの重いジョーンズの起用は吉と出た。ブルース・アルバムの企画だったので見事にはまった。白眉は'See See Rider','Trouble In Mind','St.Louis Blues'だろう。全6曲と収録曲の配分もいい。ガーランドのバラードが好きな人には物足りないかもしれない。

アルバム6枚を挟んで、系列レーベルのムーンズヴィルから発売された、
Red Alone(画像3)60.4.2
-はソロ・ピアノのスタンダード・バラード集になった。これが聴きたい、というファンが当時も存在したのだろう。マイルス時代のバラード演奏は確かにガーランドならではだった。全8曲、選曲もいい。だが何となくブルーベックのソロ・ピアノを連想してしまうような硬さがある。