人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(48l)レッド・ガーランド(p)

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Red Garland(1923-1984,piano)。
ガーランド・トリオのアルバム、
Can't See For Lookin'(画像1)58.6.27
-の発売はガーランド引退後の63年8月になった。人気アーティストでも通常は年間2~3枚の発売に調整しないとインフレ状態になるから、マイルス、ガーランド、コルトレーンらはまだ未発表アルバムが残っているうちに移籍や引退してしまったのでこうなる。
アルバムは全4曲で、1曲あたり7~10分と長い。曲が長いとベース・ソロも長くなるので、ポール・チェンバースのファンには嬉しいしガーランドの長いソロもファンには嬉しいだろう。だがやはり一般的なピアノ・トリオ作品としては冗長ではないか。タイトル曲,'Soon'と続くA面、'Blackout','Castle Rock'と渋い選曲のスタンダード集なのだが、緊張感が持続しない。ガーランドの芸風は結構きわどいバランスで成り立っているのを感じさせる。

続くコルトレーンの、
John Coltrane'Standard Coltrane'58.7.11(画像2)
-はタイトル通りのスタンダード集で、ドラムスはマイルス・セクステットでフィリー・ジョーの後任のジミー・コブ、トランペットはコルトレーンが買っていた新人ウィルバー・ハーデンが参加。前作「ブラック・パールズ」の反省からかコルトレーンも丁寧な演奏になっており、発売もこちらの方が優先された。この日のセッションでは8曲が吹き込まれ3枚のアルバムに分割されたが、全4曲を同日録音で統一したのはこれだけ。このアルバムの'Invitation'を参考にしたテナー奏者は多い。全体的にはコルトレーンがガーランドに合わせた感もある。

次の、
John Coltrane'Stardust'58.7.11,12.26(画像3)
-は7月録音から2曲と、コルトレーンのプレスティッジへの最終セッションの12月録音2曲から成るスタンダード集。12月録音はトランペットが20歳の俊英フレディ・ハバードの参加が嬉しい。バラード・アルバムとしての統一感もある。タイトル曲と、コルトレーンのワンホーンの'Time After Time'が美しく、コルトレーンとガーランドの共演の有終の美を飾る。だがあと一枚残り物アルバムがあるのだ。