人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(48i)レッド・ガーランド(p)

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Red Garland(1923-1984,piano)。
ガーランド・クインテット四部作は、
High Pressure(画像1)57.11.15,12.13
-に続く。このアルバムは11月分2曲、12月分3曲で全曲スタンダード。選曲は'Undecided','Solitude'など良い曲を演っているがドナルド・バード(トランペット)が問題。ガーランド同様演奏はそつないが一本調子で、セッション2回で4枚のアルバムというノルマでは拍車をかける。そう思いながら聴くと、この四部作はコルトレーンの一人相撲という感すらある。

そういう事情で四部作の最終作はコルトレーンとの連名作になる。
Red Garland With John Coltrane'Dig It!'57.3.22,12.13(画像2)
曲はパーカー1曲とジミー・ヒースの'C.T.A.'に、ピアノ・トリオの'Crazy Rhythm'(58年録音)。B面は全面ガーランド作のスロー・ブルース'Lazy Mae'。このうち'C.T.A.'は3月22日録音でマル・ウォルドロン'Interplay'の残り曲か、同日のガーランドの第2作のついでの録音か諸説ある。ピアノ・トリオ曲もなかなかだが、クインテット曲ではやはりコルトレーンのプレイが他を圧している。しかし会社側の都合か、この後コルトレーンはバードと組むことが多くなるのだ。

John Coltrane'The Believer'58.1.10,12.26(画像3)
-は次作'Last Trane'と同じく64~65年まで未発表だった拾遺アルバムで、12月録音分はこの2枚と'Stardust','Bahia'の併せて4枚に分散収録される。これだからプレスティッジはややこしい。1月録音分は「ラッシュ・ライフ」タイトル曲と同じセッションからで、14分の'The Believer'と11分の'Nakatini Serenade'。後者はカル・マッセイ作で、前者は作者が特定されない。12月録音分はロジャース/ハマースタイン作のバラード'Do I Love You Beccause You're Beautiful'5分。
30分しかないがこれは選曲が異色で、バラードもいいが全編に新たな試みが感じられる。埋もれた佳作だろう。