Thelonious Monk(1917-1982,piano)。
セロニアス・モンクは10代でケニー・クラーク(ドラムス)と共にニューヨークの若手ジャズマンの顔役になり、モンクとクラークが仕切ったジャム・セッションからビ・バップが生まれる(発掘ライヴ・アルバム「ミントン・プレイハウスのチャーリー・クリスチャン」Charlie Christian:After Hours/Rec.41参照)。モンクは44年までには自己のスタイルを探り当て、テナーサックスの巨匠コールマン・ホーキンズのビ・バップ作品'Bean And The Boys'44や、ディジー・ガレスピー(トランペット)とチャーリー・パーカー(アルトサックス)の'Bird And Diz'50などの重要作に参加する。
いち早くモンクの真価を認め、次々リーダー録音に起用したのはマイナー・レーベルのブルーノートで、78回転SPでリリースされたそれらは後に4枚のLPにまとめられた。うち'More Ginious'は別テイク集で、優先順位は下がる。
Ginious Of Modern Music Vol.1(画像1)47.10.15&24,11.21
Ginious Of Modern Music Vol.2(画像2)47.10.15&24,11.21/52.5.30
Ginious Of Modern Music Vol.3:Milt Jackson(画像3)48.7.2/51.7.23
-この6セッション30曲ほどにモンクのオリジナル23曲が含まれ、モダン・ジャズの基本レパートリーになった。モンクは生涯で50曲あまりのオリジナル曲を残すが、最初期のブルーノート録音だけでその半数近くを送り出したことになる。歌詞をつけられてヴォーカル曲にされたものも多い。
モンクの曲は大別するとブルース、バラード、循環コード(AABA形式)になり、どれも意表を突いたリズム・アクセントと非対称なメロディ・ラインを持つ独創的なものだった。ブルースでは'Straght No Chaser','Misterioso',バラードでは''Round Midnight','Ruby My Dear',循環では'Epistrophy','Well You Needn't'などがすでに発表されている。