人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

検証アガサ・クリスティー・ベスト10

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アガサ・クリスティー推理小説作品長編66冊、短編集20冊を分類すると、

○私立探偵エルキュール・ポアロ作品=長編33作・単独短編集4冊・オムニバス短編集4冊

○素人探偵ミス・マープル作品=長編12作・単独短編集1冊・オムニバス短編集4冊

○夫婦探偵トミーとタペンス作品=長編4作・単独短編集1冊

○謎の男ハーリ・クィン作品=単独短編集1冊・オムニバス短編集1冊

○調査員パーカー・パイン作品=単独短編集1冊・オムニバス短編集1冊

○ノン・シリーズ作品=長編17作・単独短編集2冊・オムニバス短編集3冊

-という内訳になる。前回集計したベスト10リストからの18作にはトミーとタペンス作品、ハーリ・クィン作品、パーカー・パイン作品は上がらなかったが、トミーとタペンス初登場作品「秘密機関」1922はクリスティーの第二長編で、「運命の裏木戸」1973は事実上クリスティーの最後の執筆作品になっている。

3種のベスト10を集計すると(Pはポアロ作品、Mはミス・マープル作品、Nはノン・シリーズ作品。順位はファンクラブ選に準拠)、

〈満票〉
そして誰もいなくなった(1939N)/アクロイド殺し(1926P)/予告殺人(1950M)/ゼロ時間へ(1944N)
-これは文句なしだろう。ノン・シリーズの実験的作品が半数なのも面白い。

〈自選・ファン選〉
オリエント急行の殺人(1934P)/火曜クラブ(1932M)
-前者は意外な犯人と映画化、後者はミス・マープル初登場の連作短編集。

〈作者単票〉
終りなき夜に生れつく(1967N)/ねじれた家(1949N)/無実はさいなむ(1958N)/動く指(1943M)
-どれも不評な作品。出来の悪い子ほどかわいい、ということか。

〈乱歩単票〉
白昼の悪魔(1941P)/三幕の殺人(1935P)/愛国殺人(1940P)/シタフォードの秘密(1931N)
-乱歩の好み、ブラック・ユーモア、悪への関心がよく出ている。さすがだ。

〈ファンクラブ単票〉
ABC殺人事件(1935P)/ナイルに死す(1937P)/葬儀を終えて(1953P)/スタイルズ荘の怪事件(1920P)
-「ナイル」は映画人気、「ABC」「スタイルズ荘」は普及度からだろう。「葬儀」の人気は意外。