人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

アル中病棟の思い出2

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このブログでは珍しく、続きを楽しみにしています、というコメントをいただいたのが一昨日に掲載した、「アル中病棟の思い出」という一文だった。初期にはこのブログは積極的にリクエストを募集していたのだが、残念ながら使えるアイディアはほとんど寄せられなかった。一応職業文筆家の端くれで編集者経験もある者としては、アイディアの段階で「詰んでいる」ものは書く気がしない。

このブログはコメントが極端に少ないから何にも考えずやってきたが、それでもアクセス数をデータとして考えれば、精神的・経済的苦境に陥り、なんとかそれを克服する過程を書き綴っていた時に、高い関心を集めていたと思われる。

要するに手当り次第に書いた中でアクセス数が増加していた時期を目安にすればいいが、それでは視聴率重視主義と変らない。それに現在進行形の病状悪化(本当にそうなったら作文能力も失う)、経済的苦境(そしたら携帯電話も止まる)にも陥っていない。

だからアル中更正入院を話題にする、とはちょっとした盲点だった。このブログを一昨年の初夏に始めて、晩夏には一日二本1000文字というペースも定まったのだが、一本は気紛れに書くとしても、もう一本は連載にしないと毎日題目に苦労するのがすぐにわかり、連載らしい連載を始めてわりと反響があったのが雑誌編集者~フリーライター時代の回想録だった。

回想録を掲載した時に、大半の雑誌が現在では編集プロダクションと呼ばれる下請けシステム(映画界も同様)で制作されているのを初めて知った、驚いた、という反響があった。この手の話ならいくらでもある。気づいてみれば条令違犯被疑者として収監されて出来レースで有罪判決の前科者にされていた、とか、躁鬱病患者であったばっかりに数年に一度あるかないかのやけ酒でアルコール依存症常態患者と見倣されて入院させられたり、とか。

始末に負えないのは現在の精神医学では、アルコール依存症は脳生理学的には完全に解明されておらず、依存症からの完全な回復が証明できないために、不治の病として完全にエタノール摂取を断つ以外の療法はない、とされていることだ。つまり一度アル中と診断されると生涯アル中、飲んでもアル中、飲まなくてもアル中の烙印は消えない。

次回からは入院中の出来事を書いていきたい。
(ところでご存知ですか?アルコール更正院≦精神病院です)。