人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

アルコール依存症闘病中の方々へ

はじめまして。訪問してくださるたびにこちらの記事を拝読させていただき、飲酒習慣の戒めにさせていただいています。
この一文を書くのは、私の場合はアルコール依存症の克服に努力していらっしゃる方々には良くない実例と思われるからです。私は双極性障害(躁鬱病)が先に発症しており、人間関係のいざこざから一時的に飲酒に逃避して主治医にアルコール依存症の学習入院を命じられました。
結果的に私は依存症予備軍の段階で引き返すことができ、断酒はできませんが晩酌はワインをグラスで一杯程度で満足しています。ですが入院して、依存症まで進んだ方は一旦断酒してもウィスキーボンボンや奈良漬でも重度の飲酒習慣にスリップするリスクがあると学びました。
同期入院の40人ほどの方々の半数は再入院でしたし、退院後の連絡網で断酒継続中の方は2,3人、他は亡くなられた方が3人、あとの方々は全員スリップしたと知り愕然としました。入院中は私などより本当に真剣に断酒を目指していた方々だったのです。
私は服役(正確には未決囚監)経験があるので、累犯の危険性は叩きこまれてきました。累犯とは出所後に服役仲間との交際を続けると、誰かの再犯をきっかけに将棋倒しに再犯し始めることです。ですから拘置所では連絡先の交換は厳重に禁じられています。前科者とアルコール依存症闘病者の方を一緒にするなと言われればその通りですが、前科者だってみな更正を誓って出てくるのです。
私自身は請われれば連絡先を教えましたが、退院後は自分からは一切同期入院者と連絡を取らず、食事会やお茶会などの交際もせず、自助グループにも参加しなかったのは、そのような累犯を恐れたからです。自助グループについては、私自身は完全な断酒はしていないので、本当に断酒しなければいけない方々と同席するのは失礼だからです。
私の同期入院者がたは退院後も親密にしているうちに一人、また一人と飲酒生活に戻りました。自助グループと逆の現象です。私は孤立した生活で節酒に戻りましたが、元々家で少し飲む程度だったのです。ですから私は依存症を克服する困難については語る資格はありません。それがこの一文を書いた理由です。私は自分自身の経験ではなく、入院学習生活での見聞でしかアルコール依存症の困難を知りません。それをお断りしたく、この一文をしたためました。