人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

アル中病棟入院記77

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・3月25日(木)雨
(前回から続く)
「今回の入院は初めての解放病棟になるが、これまで二回の入院はどちらも閉鎖病棟だったので、慢性患者の中のわずかな急性患者として入院していると、ここまで病状が進んだ状態では閉鎖病棟というシステムもやむを得ないと思わざるを得なかった。この人たちはひとりで家に留守番もさせられないし、ひとりで外出もさせられない。常に介護者がついていなくてはならないし容態の急変には常に対応できる環境にいなければならない。監獄と精神障害者収容施設の確立は歴史的にも平行している、というのは書物では読んでいた知識だが、本当に実感できたのはその両方を体験してからだった。慢性患者の人たちはもう閉鎖病棟を監禁監視施設と感じることもない。急性患者でありながら閉鎖病棟が耐えられたのは入獄経験があったからだ。つまり閉鎖病棟で監禁監視されていても監獄よりはまだました、ということだ」

「ただし閉所監禁は運動不足による身体の不調を招くし、一回の未決囚監と二回の入院で近視だけでなく老眼になってしまった。遠くを見る機会が週に二回程度の短時間の運動時間しかないからだ。足腰も弱るし、体を動かすのもわずかだから腸の蠕動運動も阻害されて便秘になりやすくなる。その上、入院中は病状が悪化しているという前提だから、慢性患者の服薬量には及ばないものの普段の療養生活の数倍の服薬を処方されることになる」

「単純に錠数で算定はできないが、昨日と今日ではこうなる。
・昨日=朝22錠、昼10錠、夜15錠、就寝前4錠
・今日=朝20錠、昼夜就寝前は前日同
減ったのはビオフェルミン(整腸剤)だろう。同じく胃腸薬のポリフルは継続。この錠数には整腸剤や腰痛の鎮痛剤、血圧降下剤や肝臓薬、爪疥癬薬も含まれているから純粋な向精神剤は案外少ない。それにしてもこれほど多種多量の服薬習慣はこれまでなかった。便秘気味なのも無理はない」

「明日は花見だ。花見フォビア(恐怖症)をたまたま先週、OTスタッフに話す機会があって良かった。おかげで健康上の理由がなくとも精神的疲労軽減のために徒歩組ではなくバス組にしてもらえた。Kくんはそれを知って大騒ぎ、もう虫歯は理由にならないので椎間板ヘルニア(5年前に完治したくせに)を理由にバス組に割り込む。どこまでもついてくる。きっと弁当食べるのも隣だ」