人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

アル中病棟入院記157

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(人名はすべて仮名です)
・4月6日(火)晴れ
(前回から続く)
「さらに歩いて、立派な全天候型屋内市営プールでも休みをとる。ベンチもあれば屋外喫煙所もあり、屋内にはもちろんトイレと水飲み場もある。ここでゆっくりしている間に、本来の目的地はもう少し坂を上がったはす向かいのリサイクルセンターだったが、戻り時間を考えると今回はここで帰りましょう、ということになる。上りもくたびれたが下りもつらい。全員入院生活でなまっているからのろのろと、足並みが揃わない。玄関前で体をほぐして解散。駐車場前の喫煙所で一服してから戻る」

「晩のプログラムにAA講演会があるから、男性の入浴時間は夕食だけではなくプログラムにも重なることになる。夕食前の30分しかない。悠長にしていられないので17時ジャスト入浴を目指し(柳瀬さんと渥美さんも入浴仕度していた)5分前に行ってみるともう男性札に替えてある。つまり女性は全員終了。部屋に戻り、もう入れますよ、と声をかけて一人でさっさと入る。もう上がり際、渥美さんや仲村画伯、柳瀬さんも入ってくる。ではお先に。…夕食後はすぐAA講演会の準備になる。今回のAAの感想、偶然知った河出の意外な側面、さらに驚いた降谷さんの病状のことなどまだあるが、今日はここまで」

・4月7日(水)雨のち曇り
「朝は看護婦に声をかけられ目醒める。洗顔とひげそりして一服、どうせ朝食の到着までまだ一時間もあるのに起さなくても良かろうに、と二度寝する。仮眠ではなく確かに眠った感触がある。滝口さんにドアのすき間から、佐伯さん朝食ですよ、と呼ばれて再度起される。なんで滝口さんなんだろう、佐伯さんまだ寝てるのかしら、勝浦さん呼びに行けば?佐伯くん最近機嫌悪いからなあ、どなたか頼みます。きっとそういったやりとりがあったに違いない」

「席に着くと勝浦くんが、女性に起こしてもらう、っていうのもいいもんだろ。そうだね、と応えながら、やっぱり想像通りか。このまま眠り続けていられたほうがもっと幸せだったのに…というのが本心だ。午前中は朝の会に続いて10時からの全体会。朝の会では昨日第三病棟から移室してきた降谷さんの自己紹介があり、退院する柳瀬さんのごくあっさりしたあいさつがある。全体会は、今日はかなり長々と続いた。先半月の日直の割当て以外にも確認事項が多かったからだ」(続く)