人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

前歯損失

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七年前に全歯の治療を受けて全歯が義歯になった。以来奥歯に根元まで虫歯が進行して二本が入歯になったが、これは入歯をしていなくても食事・発音などまったく影響がない。逆に言えば、使わない歯だからこそ虫歯が進行したとも言えるかもしれない。
ところが、今日の昼食後にぽろり、と上の前歯のど真ん中が取れてしまった。原因は固い氷菓子など食べていたからで、画像に載せているのがそれだと言ったらあと二週間で満50歳になる男が馬鹿みたいに見えると思う。

金管楽器奏者で歯と歯の隙間を削って息の通りを広げる話は聞いたことはあるのだが、木管楽器で具合が良くなる場合はフルートかオーボエくらいだろう。クラリネット、サックス類はマウスピースを噛んでも息洩れがしてしまう。
今日はたまたまジミ・ヘンドリクスの手持ちのライヴ盤を片っ端から聴いてご機嫌だったのだが(ジミのライヴ盤をお持ちでない方には『炎のライヴ'68~'70』か『ジミ・プレイズ・モンタレー』をお薦めする。生前発売唯一の『バンド・オブ・ジプシーズ』は隔靴掻痒の感がある)ジミがギミックでやっていたような、エレキ・ギターの歯弾きにはこういう歯欠け前歯もいいかもしれない。

昔いろいろうさんくさい仕事もしていたフリーライターだった頃、担当編集者の趣味でピンサロに接待を受けたことがある。花びら回転の店を教えてもらったんですよ、と高円寺のいかがわしい地帯に踏み込んだ。時間内ならサービスしてもらう女の子を変え放題なので花びら回転というのだそうだが、だいたい席と席の間に仕切りがあるだけで、流行歌がでかい音でがんがんかかっている所で感覚を集中できるわけはない。それでもひとり目はそこそこ若くて見栄えもする女の子が来た。ところが二人目は前歯の抜けたばあさんが来たのだ。あちきは・・て言うの、よろしくね、と、一人称であちきと言う生き物を初めて見た。変えてもらえばいいかというと、ひと仕事終らないと次(別)の女の子(とは限らない!)に変えてもらえないのだ。そうでなくとも一度済ませた直後で、しかも前歯のないあちき婆さんときては勃つものも勃たない。あとは時間終了まで拷問のようなものだった。ああ。要するにうまい話には裏がある、なんてことまで思い出す。
歯科に電話したら明日とのことなので、明日までは前歯欠男である。情けない。