人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

アート・ペッパー「ザ・トリップ」

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[Art Pepper Quartet-The Trip]76.9.15&16
http://m.youtube.com/watch?v=oRq61VypkLk

ペッパーは「ミーツ・ザ・リズム・セクション」57ばかりが突出した名作とされて、他の作品は印象稀薄なきらいがある。その上ペッパー(1925~1982)は、53年~56年、60年~75年に数回の服役を含む生活トラブルによる活動の中断があり、特に60年~75年の15年に渡る活動休止は尋常なら再起不能なほどだった。
復帰後のペッパーを評価しない人も多い。だが76年のアルバム「ザ・トリップ」は67年に死去したジョン・コルトレーンの影響をペッパーの流儀で消化した力作だった。巻頭曲はコルトレーン『アウト・オブ・ジス・ワールド』のペッパー流解釈だろう。
二曲目は63年にホテル火災で亡くなったトランペッター、ジョー・ゴードンの作曲で、ゴードンと共にチャーリー・パーカーのバンドに参加していたリチャード・ツワージック追悼曲。
[A Song For Richard]
http://m.youtube.com/watch?v=3EoKp_MQYxY

次はウディ・ショウの名曲でジャッキー・マクリーン「デモンズ・ダンス」が初出。ペッパーはパーカーを嫌ったが、その弟子マクリーンには感服していた。この曲に関してはマクリーンの勝ち。
[Sweet Love Of Mine]
http://m.youtube.com/watch?v=dyFP0T0pujM

アルバム後半はペッパーの自作二曲に挟まれてバラードが入る構成。まず軽快な変型ブルース、
[Junior Cat]
http://m.youtube.com/watch?v=SJVCHoi0c-E

ミシェル・ルグラン作曲71年アカデミー賞受賞映画主題曲『おもいでの夏』。
[The Summer Knows]
http://m.youtube.com/watch?v=geaUeW7cZTw

最後は『ザ・サイドワインダー』調の軽快なジャズ・ロックで締める。過小評価されているが充実した作品だと思う。
[Red Car]
http://m.youtube.com/watch?v=ygkmGdq8Zt4