人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

アル中病棟入院記その後(1)

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(人物名はすべて仮名です)
2010年5月20日アルコール依存症学習治療入院を終えて退院後の生活に戻り、日記はそれまで一日に大学ノート見開きに渡っていたのだが、突然一日に五行も書いていればましな部類になった。肉筆筆跡をお見せできれば一目瞭然だが、同一人物とは思えないくらい筆勢が落ちてたどたどしい文字になり、急激に鬱状態に陥ったのがわかる。

退院の翌日にこの日記では滝口さんという仮名にしている、病棟で親しくなった女性からメールがあり、退院時に車で送ってくれたのも彼女だから気にかけてくれた内容のメールだったのだろうが、日記ではメールの内容まで触れるのが面倒だったのだろう。その後数日のやりとりを見ると滝口さんからメールが来てはしぶしぶ翌日か翌々日に返信し、25日の火曜日には滝口さんから怒りのメール来ると書いてある。

その25日の後、一週間日記が途絶え、6月1日に「滝口さん今朝はもう予告なしに来る」と書いてある。この一週間で滝口さんは毎日のように訪ねてきて、男女の関係に進んだ、ということだ。その前のメールでやりとりがあったのは、滝口さんから会いたいと誘いがあり、こちらからは退院の時はお世話になったが今は誰とも会いたくない、という内容だったのだろう。

26日から日記が途切れているのは、日付はともかく当日朝、いきなり彼女から電話がかかってきた。ご主人とお嬢さんたち送り出してこの後お嬢さんたちが下校してくるまでヒマだから遊びに行ってもいいか。断る余地もなかったし、彼女は退院の時は会話に夢中で食事に出かけられなかったからと、二人分の惣菜パンの昼食持参でやってきた。

関係は一か月あまり経って彼女のご主人に露見したがそれでも続いていた。ただお嬢さんたちの夏休みには会える機会がない。夏休みは長いから、その間に彼女がやはり家庭の方が大事だという気持に傾くのはまず間違いないな、と予想していた。夏休み明けにメールをかわすと、予想は的中していた。しかも彼女は飲酒癖が戻り、それをこの関係がもたらした苦しみからと恨まれてすらいた。

秋になり、病院で入院患者同窓会があった。自分は出ないから安心して、とメールを送った。すると彼女から誤解していました…と猛烈な返信があり、この関係再燃が原因で躁鬱症状を悪化させ、アルコール依存症とは関係なく年末に緊急入院する事態になった。