人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

ピーナッツ畑でつかまえて(49)

 ある種の鳥には方位磁石と類似した感覚があり、季節の推移に従い周期的に生息地を移動します。これを渡り鳥といい、渡り鳥の名称は食糧、環境、繁殖などの事情に応じて定期的に長い距離を移動することに由来します。対して、1年を通じて同一の地域やその周辺で繁殖も含めた生活を行う鳥は留鳥とも呼ばれます。
 鳥の渡り(Bird migration)の解明は鳥類学の研究テーマのひとつで、鳥を捕獲して刻印のついた足環をつける鳥類標識調査(バンディング)が日本を含め世界各国で行われています。また、大型の鳥には超小型発信機をつけ、人工衛星を使い経路を調べることも行われます。
 渡り鳥の移動の際の進路は、三段階の過程を経て決定されていると考えられています。 第一段階では、ある時間にある方向に向かって飛ぶことを何度か繰り返すことにより、目的地から数100kmほどのところまで進みます。これは太陽や星の配置などを指標にすることにより行われると考えられています。つまり天体による進路確認です。第二段階では磁場などが関わる、生まれながらにして持つ地図を頼りに目的地まで数kmのところまで進むと思われます。この段階では、磁場だけでなく地形の情報もある程度考慮されるかもしれません。 第三段階では地形や環境の特徴を頼りに最終目的地まで到達します。この段階では、非常に細かい地図情報を鳥が持っている場合があります。しかし、生まれながらにして完全な形で持っているというわけではなく、移動の途中で学習される部分が多いことが、研究によりある程度解明されています。 ただし、これらの段階についての仕組みは現在、ほとんどまったくわかっていません。ただ、大胆に推理するなら、これら渡り鳥の移動は人類発生よりも古い古代の緑地分布の記憶を残しているとも考えられるのです。
 スヌーピーはにやにやしながら後ろ手(前肢)を組み、腰を落としてチャーリーの周りを一周しました。正面まで戻ってきて立ち止まりウッシッシと笑うと、またチャーリーの周りを一周してウッシッシ笑いをし、また一周と見せかけてチャーリーの真後ろで立ち止まり、右足(後肢)で飼い主の少年のおケツを思い切り蹴り上げました。痛たたった!もう止めてくれよスヌーピー、いつまでこんなこと続けるんだい、とチャーリー・ブラウンはまた前のめりに倒れ、両手を地面についたまま呟きました。
 次回第五章完。