人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

ねぎ塩パスタで箸休め

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 毎度毎度アルバムのライナーノーツや大学生の論文並みの作文ばかりでは身が保たないので、今回は夜食の一例を上げて箸休めとし、明日への鋭気を養います。先日内科の定期受診で血液検査の採取ついでに電子体重計で体重を量らせてもらったら、着衣で57kgと一気に数キロ痩せていました。身長170cmですから標準体重値範囲内ですし、ほぼ10年前に離婚・入獄と過酷な目に遭っていた時は50㎏もなく痩せ細っていましたからまだしもです。ちなみに冤罪逮捕による拘置所未決囚監は判決まで4か月におよび、罪状は免れるも条令違犯とされ逮捕・拘置が正当化されるとともに実刑禁固3か月・執行猶予4か月の条令違犯有罪でようやく釈放されました。判決まで未決囚監4か月間拘置されていましたから執行猶予どころか実質的に禁固3か月以上の実刑を喰らっていたようなものです。条令違犯すら実態はなく、逮捕・拘置の正当化のための最小限判決でした。これ以上の拘置は精神的に耐えられず、何より原告かつ娘たちの親権を握る前妻の負担と幼い娘たちの安寧を重んばかると判決は受け入れずにはおれず、控訴は断念せざるを得ませんでした。当然前妻にこの断念の真意は通じないのは承知の上でした。国家と個人がむき出しに向きあい、思考以外の一切の自由が奪われたこんな体験を、当時体重50㎏でよく乗りきれたものです。

 もっとも愛した女性に警察に売られる『望郷』や『勝手にしやがれ』のような事態は尋常では得られないなかなか得がたい経験でしたが、拘置期間のうちに家族も職も住居も失って釈放され、精神科受診で重度の双極性障害1型の診断を受け、2年半に5回の緊急入退院を経た以降は徹底して療養生活を続けて重篤状態は回避できるようになり、徐々に体重も60㎏まで増やしたものの、寛解時でも双極性障害は鬱なので食欲不振と不眠は常態です。長い作文を毎日毎日書くのは心身ともにぎりぎり健康維持するために不可欠なので、未決囚監の拘置時や精神病棟入院時にも毎日大学ノートにびっしりと作文するのが絶体絶命の惰性にして唯一の命綱でした。文筆で生計を立てていた人間が生計を度外視した作文ですからもはや何の欲目もありません。大地と大気と日差しを結ぶ樹木、老木の循環運動のようなものです。ねぎ塩パスタからとんだ打ち明け話になってしまいましたが、ついでにパスタの茹で時間にぴったりなので茹でる時にはこれを聴く、と貧乏学生時代からもっともよく利用している曲(他に何曲もありますが)のひとつをご紹介して下げにします。曲名自体がこの小文の落とし所を予言していたならそれなりに辻褄も合うものです。
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Quicksilver Messenger Service - The Fool (from the album "Quicksilver Messenger Service", Capitol, 1968) : https://youtu.be/ONXEnfPMRnE