人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

鈴木慶一とムーンライダース - 火の玉ボーイ (Elektra, 1976)

鈴木慶一ムーンライダース - 火の玉ボーイ (Elektra, 1976)

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鈴木慶一ムーンライダース - 火の玉ボーイ (Elektra, 1976) : https://youtube.com/playlist?list=PLJC5bOVBufwDMCd_2FKjGEsQ3-zegQJeX
Originally Released by ワーナー・パイオニア株式会社/エレクトラ Elektra L-8078E, January 25, 1976
全作詞作詞・鈴木慶一 (expect as noted)
(Side 1) City Boy Side
A1. あの娘のラブレター (作詞・鈴木慶一岡田徹/作曲・岡田徹) - 2:33
A2. スカンピン - 4:59
A3. 酔いどれダンスミュージック - 3:56
A4. 火の玉ボーイ - 4:38
A5. 午後のレディ - 3:24
(Side 2) Harbour Boy Side
B1. 地中海地方の天気予報~ラム亭のMama (作詞・矢野顕子/作曲鈴木慶一) - 7:20
B2. ウエディング・ソング (作詞・鈴木慶一岡田徹/作曲・岡田徹) - 3:30
B3. 魅惑の港 - 3:01
B4. 髭と口紅とバルコニー - 3:57
B5. ラム亭のテーマ~ホタルの光 (作曲・鈴木慶一スコットランド民謡) - 1:55 :
[ Personnel ]
The Moonriders, Last Show, Tin Pan Alley, Neighbours Of Metropolis
The Moonriders - 鈴木慶一, 鈴木博文, 椎名和夫, 武川雅寛, 土井正二郎, 橿渕哲郎, 岡田 徹
Last Show - 島村英二, 徳武弘文, 松田幸一, 村上 律, ロボコン
Tin Pan Alley - 細野晴臣, 佐藤 博, 林 立夫
Neighbours Of Metropolis - 松任谷愛介, 矢野顕子, 駒沢裕城, 稲葉国光, 矢野 誠, 白井良明, 八百谷 啓, 松本 裕、あがた森魚

(Original Elektra "火の玉ボーイ" LP Liner Cover & Side 1 Label)
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 はちみつぱい解散後、鈴木慶一ムーンライダース名義で発表された本作は実際は鈴木慶一のソロ・アルバムとして制作されたもので、バンド「ムーンライダーズ」の正式なデビュー・アルバムはパナム・レーベルからの『MOONRIDERS』(February 25, 1977, PANAM GW-4026)になります。鈴木慶一さんは早熟な才人で、ムーンライダーズの諸作も以降一作ごとに才気走ったアルバムになりますが、シンガーソングライターとしての曲の良さ、素晴らしいヴォーカリストの才能が素直に発揮されたアルバムは、むしろ作為の少ない、はちみつぱいのアルバムや本作、ムーンライダーズでは凝りすぎた内容から発売延期になった『マニア・マニエラ』の代わりに急遽ポップな新作として制作・発売された『青空百景』1982あたりになると思います。

 日本の'70年代~80年代のポップス界を担った豪華ミュージシャンがこぞって参加した本作の成立については、日本語版ウィキペディアにも詳述されていますから、詳しくはそちらをご覧ください。それより何より、本作は曲の良さ、鈴木慶一氏のヴォーカルの良さ、演奏の良さで、先入観なしに聴いてしみじみ良いアルバムと思える、'70年代の日本のロック/ポップス屈指の名盤で、むしろアルバム制作の背景など知らずに聴いた方が良い逸品です。余計な感想など本作についてはとどめておくことにいたします。