人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

山本陽子の詩業

今回は山本陽子の代表作「遥るかする、するするながら ?」(1970)を冒頭から制限文字数まで紹介する。28行、全編の5分の1に当る。原文も横組みなのを注記したい。

遥るかする
純めみ、くるっく/くるっく/くるっくぱちり、とおとおみひらきとおり むく/ふくらみとおりながら、
わおみひらきとおり、くらっ/らっく/らっく/くらっく とおり、かいてん/りらっく/りらっく
りらっく ゆくゆく、とおりながら、あきすみの、ゆっ/ゆっ/ゆっ/ゆっ/ とおり、微っ、凝っ、/まっ/
じろ きき すき/きえ/あおあおすきとおみ とおり/しじゅんとおとおひらり/むじゅうしむすろしか
つしすいし、まわりたち 芯がく すき/つむりうち/とおり/むしゅう かぎたのしみとおりながら
(…)
純めみ、きゅっく/きゅっく/きゅっく とおとおみ、とお、とおり、繊んじゅん/繊んく
さりさげなく/まばたきなく/とおり、たすっく/すっく/すっく、とお、とおりながら
すてっく、てっく、てっく 澄み透おり明かりめぐり、透おり明かりめぐり澄み透おり
透おりめぐり明かり澄みめぐり、めぐり澄み明かりぐりするながら、
闇するおもざし、幕、開き、拠ち/ひかりおもざし幕開き拠ち
響き、沈ずみ、さあっと吹き、抜けながら
響き、ひくみ、ひくみ透おり渉り、吹く、透おり、/
先がけ、叫び、しかける街々、とおくをわかち、しずみ、/透おり交いながら
しずみ 、しずみ透おりひくみ、ひびき、ひくみ/つよみ透おりするながら、たえまなく
透おり交わりするながら/ひびき透おり放ち、
瞬たき、路おり乗するながら
夜として観護るごと、めばめき 帳ばり、ふた襞、はたはた ひらき 覆い/

響き、/ 尽くし/吹く透おり/消え、
しずみ、/ひくみ、/
ひびき透おり吹き
ふためき、はたと墜として、はたり /途断え、やみ、蔽い

吹く、吹く、吹く、おとないかぜ透おり、おとなしかぜ渉り、
吹く、やすらぎ/すずしやぎ
りり、 りりり、りりり