人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

はっぴいえんど『春よこい』ほか

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はっぴいえんどはアートロック・バンド「エイプリル・フール」(1969にアルバムと映画「エロス+虐殺」サントラあり)のベーシスト細野晴臣とドラマー松本隆がヴォーカリスト大瀧詠一とギタリスト鈴木茂を誘って結成。アルバムは「はっぴいえんど(ゆでめん)」1970、「風街ろまん」1971、「Happy End」1973の3作。後のポップス界に最も影響の大きい、日本ロック史上最重要バンドといえる存在である。

『春よこい』

お正月といえば
こたつを囲んで
お雑煮を食べながら
かるたをしてたものです

今年は一人ぼっちで
年を迎えたんです
除夜の鐘が寂しすぎ
耳を押えてました

家さえ飛び出なければ
今ごろみんな揃って
おめでとうが言えたのに
どこで間違えたのか

だけどすべてを賭けた
今はただやってみよう
春が訪れるまで
今は遠くないはず
春よこい
春よこい
(「はっぴいえんど」より/松本隆作詞・大瀧詠一作曲)

バンドの曲は大瀧と細野が半々で作曲を手掛けるが、作詞は松本が担当し、ムードの統一に大きく貢献している。

『かくれんぼ』

曇った空の浅い夕暮れ
雲を浮べて煙草をふかす 風はすっかり凪いでしまった 私は熱いお茶を飲んでる

「君が欲しい」なんて言ってみて
裡でそおっと滑り落とす
吐息のような嘘がひとひら 私は熱いお茶を飲んでる

雪融けなんぞはなかったのです
歪にゆがんだコーヒー茶碗に 余った時はわなないている
私は熱いお茶を飲んでる

もう何もしゃべらないで
そう黙っていてくれればいいんだ
君の言葉が聞えないから
雪景色は外なのです
なかで二人はかくれんぼ
絵に描いたような顔が笑う
私は熱いお茶を飲んでる
(同上/松本隆作詞・大瀧詠一作曲)

次の曲は最初のシングルにもなり、バンドの「風」と「街」のイメージを決定した。

『12月の雨の日』

水の匂いが眩しい通りに
雨に憑かれた人が行き交う
雨上りの街に風が不意に起こる
流れる人波をぼくは見てる
ぼくは見てる

雨に病んだ乾いた心と
凍てついた空を街かげが縁どる
雨上りの街に風が不意に起こる
流れる人波をぼくは見てる
ぼくは見てる
(松本隆作詞・大瀧詠一作曲)