人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

貧乏人を殴り倒せ!

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とにかく払えないものは払えない。払う意志はある。ただし一括は到底無理。さてどうするか-入院中は動きようもなく、退院したその足で市役所に相談に行きました。入院中に書面はまとめてありました。確定申告ならもう二十歳の時からやってる。

債務相談専門の窓口から県ごとにある「法テラス」に紹介状がまわり、法テラスから依頼人の最寄りの法律事務所に紹介状が申し送りされて、あとは事務所に行き相談して弁護士さん直々に請求元に電話してもらっておしまい。それだけ。額面と期日を変更して再発行された請求書が後日送られてきます。
「待った」もありです(再来月から、とか)。もし遅れて「残金一括、さもなくば法的措置」と先方の委託した法律事務所から一括払いの再請求があっても、実際に差し押さえ等の法的措置はとれないから、請求書の新規(延長)再発行で済みます。払えないなら払える時までどんな請求も堂々と無視していい(最初から踏み倒し・詐欺が明白な場合を除く)。そのように、現代では消費者有利のシステムがあります。先方としては回収できないよりも譲歩して回収できるならほとんどの条件が通ります。拍子抜けしました。

以上体験談。基本的に相談料も無料でできます。事由としては「困窮による支払い困難」でいいと思います。いったいこれはだれに向けて書いているのでしょうか?全国の無産者階級に向けて?
たとえば筆者などは国民の三大義務-勤労・納税は確実に、順法だってひょっとしたら怪しい。国民とは呼べないわけです。非国民でございます。しかしこれだけ自由化された世情では非国民であることも難しいのではないか。これまで何度「おれは違うんだ」と呟いてきたことか。

そうではない、万人が自由で平等だ、と考えた主人公は酒場に乗り込みます。おれがそれを証明してやる!と見知らぬ老人をボコボコに殴りつけ、丸太の一撃でとどめをさします。満足した主人公の前で老人はあっという間に蘇生し、主人公をボコボコにして「どーだ、ワーッタか?」ハイ参りました、と主人公と老人は握手を交します。
これが限りなく谷岡ヤスジ的(図版)なボードレール(1821-1867)の散文詩『貧乏人を殴り倒せ!』1865 (散文詩集「パリの憂鬱」没後刊)の梗概です。お分かりいただけるでしょうか?貧乏人であること、自由で平等であることの本質を。