ジャーマン・ロックもこれで7回目。まだまだ重要グループがある。今回はグルグル(Guru Guru,1970-)として、ファウスト、ポポル・ヴー、アシュ・ラ・テンペル、クラウス・シュルツ、ヘルダーリン、ノイ!、クラスター、ヴァレンシュタイン、ノヴァリス。最後の4バンドは2バンドずつ抱き合わせにして、全14回ですか?病気療養中のリハビリだから宿題はたっぷりあった方がいいや。その後はイタリアン・ロック。
その次はジャズマン(本来そっちが主食。アルトサックス奏者だった頃の話は割愛)でいくか。マイルス、コルトレーン、モンク、トリスターノ、ミンガス、ロリンズ、エヴァンズ、ドルフィー、アイラーといったあたりは全アルバム揃っている。厄介なのは発掘録音がきりもないパーカーやコニッツ、チェットあたりだがかなりのところは押さえた。
こう書くとマニアみたいだが、演奏する人間としてはやはりそうなる(雑誌のコラム書きでもあったし)。1970年前後ヨーロッパのロックはジャズと直結していた。プレスリーやビートルズの流れから脱却した独自のロックを目指したミュージシャンは大体ロック以外の音楽要素を取り入れることで活動を始めた。60年代はフリー・ジャズと現代音楽の勢いがあった。それを如実に表したのが70年代ジャーマン・ロックの面々だと言える。
グルグルはデビューから42年、一事解散も育休もなく第一線でやってきたバンド。もっともオリジナル・メンバーだったのは最初の3年間だけで、以後はリーダーのマニ・ノイマイヤー(ドラムス、ヴォーカル)以外のメンバーは流動的になる。マニさんは親日家で東京タワー蝋人形館ジャーマン・ロックコーナーにもマニさん人形がある。もちろん本国での人気は抜群で、現役45年だけある。
45年?そう、マニはグルグル結成まではフリー・ジャズの実力派新人だったのだ。だが30歳にしてジャズ仲間のウリ・トレプテ(ベース)と意気投合、ブルース・バンドでジミ・ヘンドリックスを誇張したようなギターを弾いていたアックス・ゲンリッヒを誘い、ドイツ最強のいかれたフリーサイケ・ジャズ・ロックトリオが誕生する。推薦盤はこのメンバーでの初期3作、「UFO」1970(画像1)、「ヒンテン」1971(画像2)、「カングルー」1972(画像3)です。ジャケット通り人を食ってます。