…としたいところだ。本国での人気は実際に見てきたわけではないから本当のところは知らないが、73年のライヴ・アルバムがイタリアのロックでは初のライヴ盤だったり、不況に弱いイタリアでも着実なリリースを重ねてディスコグラフィを伸ばし、全集はおろか過去の全アルバムが単体のリマスターCDで発売されている。本当に人気があるのだとしか思えない。
しかも日本のユーロ・ロック愛好家にも人気がある。70年代からフィリップス(現ユニヴァーサル)でアンジュ(仏)やバッジー(英)と同じシリーズで日本盤LPが廉価盤で出ていた。イタリアだったらジャンボだってフィリップスなのに出たのはレ・オルメ。本国での人気を反映したのだろう。
廉価盤だからジャケットがチャチかった。カラーでオリジナル・ジャケット通りなのは表側だけで、裏はモノクロ印刷の日本語解説と歌詞だけ。昔のジャズやクラシックのレコード・ジャケットと同じだ。レコードの解説・歌詞カードを慣習的に「ライナー・ノーツ(裏面解説)」という本物をロックのレコードで初めて見た。いったいフィリップスは本気で売る気があったのか?日本フィリップスの契約ノルマだったのではないか?(バッジー…)
でもレ・オルメいいね、という日本のファンも大勢いるのだ。今でも。案外筆者もそのひとりかもしれない。たまに聴いては食い足りないなあと思うのだ。