人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

I Could Write A Book(本を書く)

イメージ 1

○コメントと断片より

(1)ぼくは70年代後半に10代でしたから、HRではスコーピオンズ、プリースト、UFOが新鮮で、この3バンドは70年代に傑作ライヴ盤を残した点でもキャリアの類似を感じます。そりゃツェッペリンやレインボーは格が違う感じでしたが。
後追いでプリーストは全作聴き「ブリティッシュ・スティール」で満足して離れました。サバス「ヘヴン・アンド・ヘル」と並んでHRからHMへの転換点になったアルバムだと思います。
UFOはシェンカー抜けたらもう駄目でしたね。スコーピオンズはプリースト同様悪くないけど、80年代のはなくてもいいです。なんというか、80年代HMはメタルファン限定バンドが増えたあげくに拡散した、と見えます。
NWOHMの初期はけっこう聴いていました。あれも年輩のサクソンと若いアイアン・メイデンではHR成分が違っていて面白かった。メイデンは初代ヴォーカルのポール・ディアノ時代の2枚です。シェンカーのMSGやボネットのアルカトラズなんかは当然聴きました。もちろん忘れちゃならないヴァン・ヘイレン
特にHR/HM好きでなくても、このくらいは聴きましたね、やっぱり。

(2)文学史的には写実主義の確立者フローベールの弟子たち-ゾラ、ゴンクール兄弟、ユイスマンスモーパッサン写実主義を進めて自然主義を打ち立てた、というのが大学入試的知識になりますが、ぱさぱさに乾いた人生模様を描いたのはゴンクール兄弟くらいで、ゾラなんかほとんど情痴犯罪スリラー、ユイスマンスは退廃から神秘主義へ、モーパッサンはご覧になったとおり「危険な関係」(ラクロ)の系譜で、自然主義の「自然」は本能のままに生きる人間の姿を指す、とゾラが宣言していますが本当かよ、ってくらい脂っこいです。モーパッサンでは淡々とした「ピエールとジャン」「女の一生」「水の上」が長く読まれているのもうなずけます。ゾラの「居酒屋」「ナナ」「獣人」なんかは狂気と絶望の破滅ドラマで、突き抜けたものさえ感じます。

(3)現代アメリカの大学生版「危険な関係」も昼下がりのテレビ視聴にはぴったりでしたよ。低予算映画らしい小粒な良さがあって。「アルマゲドン」に対する「ザ・コア」みたいなものですね。
モーパッサンは実働10年、当時の国際的ベストセラー作家ですが、やはり世紀末思潮の人だったとも思います。