人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

宮崎駿「崖の上のポニョ」2008年

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初のテレビ放映が2010年2月5日だから今夜(12年8月24日)は2年半ぶり・2回目の放映になる。作中に津波のシーンがあるため現在は放映自粛作品だろうか、と悲観されていたが、再放映を待っていた人も多いと思う。筆者もそうで、初放映は病状の悪化(重鬱)で見逃した。どのくらいの悪化かというと、入院のため見逃した(入院は3月だった)と今回調べるまで思い込んでいたくらいだ。

データから。劇場公開は2008年7月19日・東宝配給・101分。国際タイトルは「Ponyo」宮崎駿監督作品では「ハウルの動く城」2004以来4年ぶり、原作/脚本/監督の3役では「千と千尋の神隠し」2001以来7年ぶり。興行収入は155億円で、日本映画歴代興行収入ベスト3独占の宮崎作品「千と千尋」304億円・「ハウル」196億円・「もののけ姫」193億円には及ばなかった(とはいえ十分に大ヒットではある)。
藤岡藤巻×大橋のぞみ(当時8歳)が歌うエンディング主題歌は映画公開半年前の2007年12月に発売されプロモ効果を期待されたが、半年で3000枚の売上げしかなかった。No.1ヒットになったのは映画公開後で、大橋のぞみは2008年末には紅白史上最年少歌手となる。売上げは50万枚。

監督自ら初期の構想は中川李枝子「いやいやえん」の「崖の上」版と発言しており、ジブリ美術館限定上映の短編「くじらとり」01(原作「いやいやえん」)・「水グモもんもん」06・「やどさがし」06が下敷き。海と波が描きたい、というアニメーター本来の発想があり、広島県福山市鞆の浦の崖上の家に05年春、06年夏と2回に渡り滞在・構想。あえて作画は手書き、コンテ使用(CGは彩色・撮影のみ)という原点に戻った。

また、物語性も最小限で展開も唐突。ウィキペディアでは「起承転結が明確になっておらず、ほとんど伏線が存在しない。天変地異が起っても詳しく理由が説明されることなく、全体的に消化不良気味のまま物語が収束する」「スピード感と勢い重視、ファンタジーと現実社会が入り混じったストーリー構成」とし、監督の「順番通りではとても収まらないから思いきってすっとばした。(いつも物語性重視だと)腐ってくる。ぶち壊さなければいけない」という発言を引いている。

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