人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

フィンランドの70年代ロック

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北欧で国際的成功をおさめたアーティストというとさすがにノルウェーはきついが、フィンランドならウィグワム、タサヴァラン・プレジデンティ、ペッカ・ポーヨラで決まりだろう。先の2組はフィンランド最大の大物といえる存在でメンバー間の交流も深く、ともに1969年にデヴュー。ペッカ・ポーヨラはウィグアム(途中加入・脱退)のベーシストだが、平行して自己のソロ・アルバム群でも成功をおさめた(プレジデンティのリーダー、ユッカ・トローネンにも優れたソロ・アルバムがある)。

というわけで、今や古くはシベリウス(年代的には現代音楽だが)、ロックではハノイ・ロックスしか思いつかないのがフィンランド音楽だが、ウィグワムとポーヨラなどはドイツのカンと同時期にイギリスのヴァージン・レコードに移籍している。移籍第一作「原子力ナイトクラブ」はアメリカでも日本でもヒットした。ペッカのソロにはヴァージン・レコードのスター、マイク・オールドフィールドが全面参加。やはりヒット作となった。掲載アルバムは、
○タサヴァラン・プレジデンティ「ランバートランド」1972(画像1)
○ウィグワム「ビーイング」1974(画像2)
○ペッカ・ポーヨラ「数学者の空中広告」1977(画像3)
○ブルース・アディクツ「(同)」1970(画像4)
○ハーディ・ガーディ「(同)」1971(画像5)

実は画像4と5はデンマークのハードロック・バンドなのだった。デンマーク編で入れ忘れた。どちらもデンマークのロック史上ベスト10に入ると定評がある。筆者も長年愛聴してきて飽きない。あまりに身近な作品なのでついつい失念してしまった。

北欧はジャズの素養があって当然、というミュージシャン・シップがあり、プレジデンティもウィグワムも第一作はジャズ・ロックだった。プレジデンティはジャズ・ロック路線を進めて掲載アルバムでは奇才ソプラノ・サックス奏者ペッカ・ポイリー加入で最高傑作を作る。
一方ウィグワムは第二作で怪人プロデューサー、キム・フォーリーを迎え、新ベーシストにペッカ・ポーヨラも加入してザ・フースモール・フェイセズみたいなロック・オペラを作る。「ビーイング」を最後に脱退したペッカはクラシカルな作風に転換した。ペッカ脱退後のウィグワムは「イエス+10cc」と呼ばれる作風になった。想像できますか?