人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

プロレタリア文学

小野十三郎「いたるところの決別」「家系」 (詩集『古き世界の上に』昭和9年=1934年より)

[ 小野十三郎(1903-1996)、40代前半頃。] 第3詩集『古き世界の上に』 昭和9年(1934年)4月15日・解放文化聨盟出版部(植村諦聞)刊 「いたるところの決別」 小野十三郎 俺は友が友をそむき去る日を見た 相手の腕は折れ額に血潮のにじみ出るのを見た 俺は又一枚…

小野十三郎「軍用道路」「天王寺公園」(詩集『古き世界の上に』昭和9年=1934年より)

[ 小野十三郎(1903-1996)、40代前半頃。] 第3詩集『古き世界の上に』 昭和9年(1934年)4月15日・解放文化聨盟出版部(植村諦聞)刊 「軍用道路」 小野十三郎暗い郊外の野をつらぬいて かなたの山麓へ また、一直線に路がついた 月のある晩だし、このあたりは少…

小野十三郎「嵐の歌」「炎の歌」(詩集『半分開いた窓』大正15年=1926年より)

第1詩集『半分開いた窓』(私家版) 大正15年(1926年)11月3日・太平洋詩人協会刊 [ 小野十三郎(1903-1996)、大正15年=1926年、第1詩集『半分開いた窓』刊行の頃、23歳。] 「嵐の歌」 小野十三郎銛をうたれた鯨のやうに 真黒な雲が空を荒れ狂ふ グリリと出歯包…