人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(4)GS時代のブルー・コメッツ

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GSでどのバンドがいいかというと、ビートルズ・ブーム以前から活動していたバンドとブーム以降の若手では世代の違いもあるので簡単には片付かない。だが多士済済のGSを聴いてみて結局どのバンドが心に残るかと思うと元祖GSの2組、ブルー・コメッツとザ・スパイダースだろう。ともに井上忠夫(大輔)、かまやつひろしという抜群のソングライターを擁し、アレンジャー、プレイヤーとしてもコーラスも抜群だった。大半のGSがシングル数枚・アルバム1作程度の活動だった時代、この両グループは定期的なアルバムとシングル発表でアルバムは10作前後に上る。オリジナル楽曲とカヴァー曲が半々なのはGS時代の慣習だが、この両グループとなると選曲も渋くアレンジも斬新で新鮮だった。

○「青い瞳/青い渚 ブルー・コメッツ・オリジナル・ヒット集」1966.9(画像1)
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コメッツは65年にもエレキ・インスト・アルバムを2枚出しているが、実質的な第一作は日本のポップスに「GS」というジャンルを確立した66年3月のデヴュー・ヒット『青い瞳』を始めほぼ全曲井上忠夫のオリジナル曲によるこの作品だろう。加山雄三「恋は紅いバラ」(全曲加山オリジナル)は同年2月、ザ・スパイダース「アルバムNo.1」(全曲かまやつオリジナル)は4月に発表されていたが、スパイダースの初ヒット『夕陽が泣いている』は9月で浜口庫之助作品であり、バンド内作家の楽曲でシングル・ヒットを連発した点ではコメッツが先だった。CDは『ブルー・シャトウ』収録の「オリジナル・ヒット第2集」67.10との2in1。

ブルー・コメッツは元来ジャズ・ロック・バンドであり、音楽的リーダーの井上もテナー・サックスとフルート担当だった。GS時代では珍しい編成になる。
○「ライヴ&モア」1967-1971(画像2)
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はライヴ盤「ブルー・コメッツ・リサイタル」'67とカヴァー曲集「決定盤!これぞブルー・コメッツ ヤング・ビート」'67に71年までのアルバムから増補した編集盤。数多のGSとの貫禄の差を見せつける。

だがファン一致の最高傑作は、
○「ヨーロッパのブルー・コメッツ」+「アメリカのブルー・コメッツ」1968(画像3)
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だろう。CDでは2in1。同年の欧米ツアーに取材したトータル・アルバムの名作であり、捨て曲なしの逸品。ほとんど陶酔感に近い感動が味わえる。本当です。