人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

通院日記(11月26日月曜・雨)

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内科の受診前に体重計に乗る。少し痩せた。72.2Kg。2週間で3kg減。S先生(船越英一郎似、と歯科衛生士さんは言う)は「中性脂肪がなかなか下らないねー。カロリー控えめにしなきゃねえ」
「それほど食べてもいないんですが」
「2年前は佐伯さん56Kgだったよ。2年前の方がカッコ良かったよ」
「まあ、一気に20kg増えましたからね」
引き続き服薬になり、予約時刻30分前にはメンタル・クリニックに着く。隣だからだ。

待合室で壁に掲示してある光トポグラフィー検査について写真とメモをとる。
これは前頭部チャンネル領域の酸素化ヘモグロビンの検査で、左から、
○緑:健常者-賦活が大きい
○青:大鬱病性障害-賦活が小さい
○水:双極性障害-潜時が遅延
○赤:統合失調症-タイミングが不良
…だそうだが、さっぱりわからない。名前を呼ばれ、まず内科の受診結果を報告。「56kgの時はカッコ良かった」に苦笑される。
「体重が落ちれば中性脂肪も落ちるよ。そういう順番だから、少しずつ体重を落としていけばいい」
「そうですか」少しホッとする。トポグラフィー検査は希望者も多く、関西からの来院もあるそうだ。「生保じゃ受けられませんよね?」「佐伯さんは受ける必要もないよ」「サンプルやモニターなら喜んで受けますよ」

処方は分包なので30分は待つ。一旦帰宅(徒歩1分なのだ)。雨は本降り。
郵便受けにAさんという人からの喪中ハガキがあった。思い当たらない。「喪中につき…」「父Kが八月十一日に五十八歳で永眠いたしました…(下略)」
あのAさんか?去年の(一昨年は入院して出せなかった)年賀状の宛先控えを見ると、Aさんに間違いなかった。
Aさんはアルコール依存症入院で同室になった人で、愛想はいいけど無口な人だな、と思ったら脳梗塞言語障害になり、警察を早期退職し、やるせなさからお酒にのめり込んだ、という人だった。看護婦の奥さまが夜勤の晩にマンションの集積所にゴミを出そうとして階段から転落し、身動きもできず意識も薄れたところを訪ねてきたお嬢さんに発見された。
ぼくが詳しいのはAさんの卒論を作り、朗読したのはぼくだからだ。一昨年の春に3か月一緒に過ごし、にこにこお別れの挨拶をして、もう天命は2年半もなかったのだ。晩年は?お酒は?ぼくは役に立てたのだろうか?