人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(41d)ジェリー・マリガン(bs,p)

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

Gerry Mulligan(1927-1996,baritone sax,piano)。
そしてマリガンは再びニューヨークに戻ってきた。ニューヨークの音楽家組合は全米屈指の過当競争地区だから非常に規定が厳しく、59年末にロサンジェルスから移住したエリック・ドルフィーも組合規定で「移住者は半年間活動禁止」で練習に明け暮れていたという。マリガンもその手を食らったか、'Gerry Mulligan Quartet at Storyville'56.12(画像1)はボストンのジャズクラブ出演のライヴ、レーベルは古巣のパシフィック(ロサンジェルス)から出た。ボブ・ブルックマイヤー(ヴァルヴ・トロンボーン)、ビル・クロウ(ベース)、デイヴ・ベイリー(ドラムス)とのカルテットで、同月にはジミー・ジュフリーがブルックマイヤー参加を想定して始めたトリオの第1作を録音している。マリガンのアルバムは51年のリーダー作が初演のオリジナル'Beebida Bwobbida'の再演が聴き物。ブルックマイヤーのとぼけた魅力はジュフリー時代の方に分がある、とは思う。

次の'Mulligan Meets Monk'57.8(画像2)はモンク側のプロデューサーからの発案で、旧知の仲だから企画はすんなり決まった。モンクのオリジナル4曲、マリガン1曲、スタンダード'Sweet and Lovely'の全6曲で、この年モンクはジョン・コルトレーンを擁すカルテットで絶好調。ベースもドラムスもモンクのメンバーだからマリガン曲までモンク仕立てになっている。モンク曲'Round Midnight''I Mean You'を吹くマリガンが聴ける楽しみはあるが、あくまでもこれはモンクのアルバムだろう。

チェット・ベイカーもほぼ同時にニューヨークに移住してきていた。そこで両者の再共演のリクエストは当然で、'Reunion(with Chet Baker)'57.12(画像3)はチェット初のN.Y.録音になった。5年前のソリッドなサウンドは望むべくもないが、スタンダード'My Heart Belongs To Daddy''Stardust'のさりげなさは沁みる。伝説的ベーシスト、ヘンリー・グライムズが素晴らしい。ラストを両者の恩人・故パーカーの代表曲'Ornithology'で締めるのが泣かせる。